《10》89Srによる多発性骨転移の疼痛緩和
Palliative pain relief treatment for multiple bone metastases by Strontium89
Radioisotopes,56,261-270(May 2007)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/56/5/56_5_261/_pdf


《11》長期間オキシコドンを服用している右大腿骨転移性骨腫瘍患者の周術期疼痛管理経験
Perioperative pain management in a patient with cancer pain who chronically took opioids
日臨麻会誌 vol.29 No.3,290-293,May 2009
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/29/3/29_3_290/_pdf
A 54-year-old woman with both uterine cancer that had metastasized to the femur and respiratory failure was scheduled for elective orthopedic surgery under lumbar epidural anesthesia.

She had received controlled-release oxycodone, 100 mg bid, and immediate-release oxycodone, 5 to 15 mg, as rescue medication.

Previous reports have demonstrated respiratory depression following intrathecal bupivacaine in chronic opioid-consuming patients, possibly through relative opioid overdosage.

To avoid this phenomenon, we discontinued the controlled-release oxycodone on the morning of the surgery, but readied 5 mg of immediate-release oxycodone, to use as needed.

Adequate epidural analgesia was produced by an 8 ml bolus of 0.75% ropivacaine, followed by continuous infusion of 0.75% ropivacaine at 4 ml/h, during surgery.

Sedation with target-controlled propofol infusion was conducted.

There were no intraoperative complications including respiratory depression.

Postoperative pain management was conducted with continuous epidural infusion of 0.2% ropivacaine and oral immediate-release oxycodone as needed, whereas controlled-release oxycodone was Still discontinued.

The withdrawal syndrome did not occur in the postoperative period.

In conclusion, we were able to manage the perioperative pain in a patient on long-term opioids by using a combination of epidural analgesia and immediate-release oxycodone.

The patient showed neither relative opioid overdosage nor postoperative withdrawal syndrome.



《12》脊髄における疼痛伝達とその制御機構の解明
Mechanism of spinal pain transmission and its regulation
薬学雑誌134(12)1301-1307(2014)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/134/12/134_14-00203/_pdf
Morphine has been widely used for the treatment of acute, chronic, and cancer pain and is considered the strongest analgesic in clinical care.

Conversely, morphine-induced analgesia may be accompanied by several side effects.

Animal studies have demonstrated that low doses of morphine administered intrathecally can produce reliable analgesia for thermal, mechanical, and chemical nociceptive stimulation.

On the other hand, high doses of morphine administered intrathecally may induce spontaneous nociceptive responses such as scratching, biting, and licking in mice as well as agitation and vocalization in rats.

In addition, similar nociceptive responses including hyperalgesia, allodynia, and myoclonus have been observed in humans following intrathecal or systemic administration of high-dose morphine.

It has been suggested that the spontaneous nociceptive behaviors evoked by high-dose morphine may be mediated by a non-opioid mechanism that is not yet fully understood.

This review describes the mechanisms of spontaneous nociceptive behaviors evoked by high-dose morphine focusing on the neurotransmitters/neuromodulators released from primary afferent fibers.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

http://www.geocities.jp/putniki/Newspapers/rusnature.htm
バイカル湖の悲劇http://www.cosmos.zaq.jp/t_rex/works/works_7_a.html
軽装のカバン1個でシベリアへ難民となって渡った場合、
日本人は不衛生な環境で発疹チフスで全滅の危険もある。
ナポレオンの大部隊がロシア遠征で発疹チフスで半滅したように。
終戦直後の満州引き揚げの混乱でも発疹チフスで亡くなる人が多かった。
ちなみにロシア革命で敗残した白軍関係の人たちは北海道まで渡ってきてパン屋や洋服屋を営んでいたそうです。横綱大鵬のお父さんがウクライナ人の白軍兵士で樺太まで逃げてきてお母さんと結婚したそうですね。

↓日本もチェルノブイリ後のロシアの道なのか?日本はフクイチ爆発後、4年間で百万人も人口が急減してる。広島原爆被害者の肥田先生は癌ピークが7年後から、白血病ピークが5年後からと述べているとのこと。チェルノブイリ後、現在も人口問題と若年者の貧困と自殺とアルコールと薬物中毒と凶悪犯罪と病気と短命の国ロシア。ロシア海軍はイジメの陰惨さと自殺者の多さが問題になってもいる。陸軍より海軍の方がイジメが陰惨なのは旧日本軍も同様。陸軍は共同作業が多く部下の協力が必須、アンド、部下も銃や武器を携帯している、銃を撃ちやすい、のでイジメに歯止めがかかる、海軍はその歯止めが少ないとのこと。
http://www.newsru.com/russia/07dec2002/stat.html
2002年12月7日付け
http://www.newsru.com/arch/russia/11feb2005/men.html
2005年2月11日付け
http://www.izvestia.ru/community/article174137
イズヴェスチャー紙2004年7月1日付け
http://main.izvestia.ru/economic/25-04-04/article82124
イズヴェスチャー紙2004年4月25日付け
これらの翻訳を載せてくれている個人のページ
http://www.geocities.jp/putniki/Newspapers/jinko.htm
転載開始
http://www.newsru.com/arch/russia/21apr2005/demografia_print.html
2005年4月21日付け
ロシアの人口は一年間で170万人減少したが、半世紀後には三分の一少なくなる
 競争力と企業活動に関する委員会『人口の変化と労働力資源』の作業部会の席上で、ロシアの地域発展振興省のウラジーミル・ヤーコヴレフ大臣は、2004年度のロシアの人口は170万人減少した事を明らかにした。
 これは多くの地域で、社会・経済の活発な成長を脅かすものであると大臣は危惧している。
ヤーコヴレフ大臣は、去年のロシアで人口の自然増があったのは17の自治体だけだった事を指摘した。
その中で出産率のトップだったのはチェチェン共和国で、
そこの失業率は70%に達している事をインターファックス(通信社)が報じている。
 人口千人あたりのロシアの平均出生数は10人であるのに対して、
国民の所得レベルが同程度の他の諸国では17人となっている。
ヤーコヴレフ大臣は、統計数字によれば、ロシアでは女性一人あたり1,17人の新生児を産むが、
人口を正常に維持していくためには、この数字が2.15でなければならない事も話した。
 人口千人あたりのロシアでの平均死亡率は16人であるが、
ヤーコヴレフ大臣の話によれば、これでは40~50年後には国内の人口は三分の一減少する事になる。
 彼は、ロシア連邦では労働可能な男性の大多数が
失業中か、刑務所に服役中か、アルコール依存症に苦しんでいる事も指摘した。
 我が国には一千万の就労女性がいるが、二千万の労働可能男性のうち、百万人は刑務所におり、4百万人は軍役に就いており、5百万人が失業中であり、4百万人が慢性のアル中であり、百万人が麻薬常習者であると大臣は言い、これらの数字が『歴然と』物語っているとしている。
 彼の話によれば、ロシア人の60%までが老人、子供、身障者である。ヤーコヴレフは、男性の寿命で去年はロシアは122番目だった事を指摘した。
 『男性の死亡率は女性よりも4倍も高く、死亡原因の30%はアルコール依存症に関連している。』と大臣は言った。
 この傾向が継続されれば、2025年には労働者一人あたり4人の扶養家族という図式になってしまうと強調した。
 2005年には17歳の人口が150万人まで減少する。2010年には高等教育機関での入試倍率が1に低下するとヤーコヴレフは話した。
 もう一つのロシアの人口問題は、移住であると彼は指摘した。彼の話では、特に1989年と2002年の人口調査の間に540万人が外国へ移住していったそうだ。
 『この数字はロシア革命時や祖国戦争当時よりも大きい。』と、ヤーコヴレフは指摘した。彼はまた、1997年から2004年までの間に、およそ10万人の学者が国を離れていった事も明らかにした。
http://www.newsru.com/arch/russia/11feb2005/men.html
NEWSru.com2005年2月11日付け
ロシア人男性の寿命は戦時中のように短くなっている
 ロシアの男性の寿命は過去15年間で5年短くなった。公式の統計資料によれば、ロシア人男性の平均寿命は58.6歳である。1990年の男性の平均寿命は63.4歳だった。現在では40%の男性が16歳から59歳の間に死亡する。一方で女性の平均寿命は73歳であり、1990年と比較して1年だけ短くなった。
 『一般的には、男性の平均寿命が現在のロシアのように短くなるのは戦時中だけに見られる現象である。』と、ペテルブルグ医学アカデミー内臓疾患講座主任で、市の保健委員会で働いているウラジーミル・シマネンコフが言明した。
 軍人達は多くの徴兵適齢者の体力が弱く、麻薬に執着したり、あるいは精神不安定になっており、初年兵教育課程に耐えうる者は彼らの10%にしかすぎない事をこぼしている。
 全てが月並みに説明されている。ロシアの男性はたくさんアルコールを飲み、タバコをたくさん吸い、頻繁にストレスを受け、稀にしか医者へは行かないと、アメリカの大手出版社KnightRidderの出版物の一つに記載されており、そこではバングラディシュの男性のほうが長生きである事も指摘されている。ロシア人男性の健康の危機は、大量の核兵器、化学兵器、細菌兵器を所有する国に深刻な政治的、社会的諸問題を引き起こしかねない。(Inopressa.ruからの翻訳)
 ロシア人男性の健康への対応は、ソ連の宣伝映画が独裁者とその補佐たちがクレムリンでいかに夜通し仕事をし、酒を飲み、灰皿をタバコの吸い殻でいっぱいしているかを見せていたスターリン時代から変わっていない。
 多くの医者は男性の不健康を『文化的ショック』、つまり1991年のソ連崩壊以降の経済的、社会的な不遇からのストレスのせいにしている。
    ↑↑
ストレスのせいにする?デジャヴ?

工場が閉鎖され、給料が支払われず、食料や薬が高騰し、インフレや通貨危機が貯金を台無しにした。
男性の60%以上が喫煙者であり
肺癌は今日のロシアでの癌疾患で主要な死亡原因となっている。

転載の続き
『健康についてのロシア的理解には喫煙を止める事は含まれない。』と、シマネンコは言った。
 脳卒中、肺癌、胃癌、結核、心筋梗塞などにより死亡率は高くなり、それらの疾患は最も多く人命を奪っているが、ロシア人での発生率はアメリカ人に比べて二倍も高い
と、ワシントンのスミソニアン研究所ウッドロー・ウィルソン国際研究センターのロシア保健および人口学の専門家であるムッレイ・フェシバフは言う。
 彼の話によれば、エイズ感染者と発症者の数に関しては、ロシアは南アフリカと同程度である。
エイズによる死亡の原因を二次感染、例えば結核による死亡と記録し、エイズによる死亡率を実際より過小にしていると彼は主張している。
彼の評価では、2020年頃にはエイズだけで毎年25万人から60万人が死亡する。フェシバフは、C型肝炎の急激な増加も予測しており、その最も頻繁な原因は麻薬の静脈注射である。
 国家統計委員会、ロシア国防会議、及び国連人口部のデータによれば、1億4千4百万人のロシアの人口は3分の1になる可能性がある。
 人口問題の解決の為に、ロシアの女性は子供を二倍多く生まなければならない。
人口が縮小しない為には、ロシアの女性は現在の平均子供数(1.3人)のほぼ二倍の子供(2.4人)を生まなければならない。それと同時に、堕胎数に関してロシアは世界でもトップクラスである。
ある研究者達は、堕胎数が出産数を上回っていると指摘している。
 女性の健康はそれ程ひどく悪化しているわけではない。ロシアでは女性は出産適齢期になる頃から専門診療所での定期検診を行っており、男性よりも長生きである。その上に、ロシアでは婦人科病院はより効果的な存在となっていると、ペテルブルク癌病院長のゲオルギー・マニハスは言明した。
 去年、ペテルブルクで心臓手術を要する男性が5千人いた。しかし、病院の乏しい予算と限定された医療体制によって、手術を受けたのは全部で500人だけであった。
『我国の若者達はいいものを着て、素晴らしい職業人になっていくが、彼らには健康に配慮する習慣が無い』と、マニハスは言う。
『彼らは素敵な車と美しい女性が自分たちを救ってくれると思っているが、それは思い違いだ。』
 アメリカの出版物に記述されている事であるが、ロシアは外国の支援を受けようとはしない。
薬に耐性のある結核の治療に対して、それ用の薬剤がロシアでは生産されていないのに、計画ではロシア製の薬剤を使用する事になっていると表明し、世界銀行からの借款を何年も断り続けている
http://www.newsru.com/russia/07dec2002/stat.html
2002年12月7日付け
ロシア人男性は平均して58年11ヶ月16日間生きる
 ロシア人男性の平均寿命は59歳以下の58歳11ヶ月16日である。この情報はロシア国家統計委員会が『インターファックス』へ提供した。
 統計ではロシアの女性は平均して72年4ヶ月4日間生きる。男性と女性を合わせたロシアでの平均寿命は65歳3ヶ月16日である。
 1960年代初頭からの期間で、ロシアで最も平均寿命が長かったのは1986-87年であり、その時期のロシア人の平均寿命は70歳1ヶ月16日で、内訳は男性が64歳10ヶ月28日、女性が74歳6ヶ月20日であった。
 平均寿命が最も短かったのは1994年度で、63歳11ヶ月24日であり、その内訳は男性が57歳7ヶ月3日、女性が71歳2ヶ月7日であった。
 2001年度は2000年度に比べてロシア人の寿命が7日間(0.03%)増えたが、男性だけの寿命では15日間(0.07%)減少し、女性は1ヶ月と20日間(0.19%)増加した。
 ロシアにおける男性の平均寿命はCIS諸国の中では最も短い。最も長いのはアルメニア(70歳と6ヶ月)である。CIS諸国の中で女性の平均寿命が最も長いのはグルジア(76歳以上)であり、最も短いのはトルクメニア(70歳と5ヶ月)である。
 ヨーロッパ諸国の中で男性の寿命が最も長いのはスウェーデン(77歳)とギリシャ(75歳と6ヶ月)であり、最も短いのはラトビア(64歳と4ヶ月)とエストニア(64歳と10ヶ月)である。イギリスでは男性が75歳で、女性が80歳であり、フランスでは男性が74歳と6ヶ月で、女性は82歳と4ヶ月であり、ドイツでは男性が74歳と4ヶ月、女性は80歳と7ヶ月である。
 アメリカでは男性は平均して73歳11ヶ月まで生き、女性は79歳8ヶ月まで生きる。カナダではそれより良い状況であり、男性は75歳11ヶ月まで生き、女性は81歳5ヶ月まで生きる。平均寿命が最も長いのは日本であり、男性の平均寿命は77歳4ヶ月、女性は84歳1ヶ月である。
http://www.izvestia.ru/community/article174137
イズヴェスチャー紙2004年7月1日付け
老いて、賢くなって、そしてほとんど(人口は)増加しない 昨日、国家統計局の局長が円卓会議を招集し、その席でまたもや残念な見通しについて語った。特に、ウラジーミル・ソコリンは、現在に至るも我が社会に存在する幾つかの神話を否定した。それらの一つは移住者(流入民)についての神話である。
例えば、首都の住民の間では、移住者の勢いを嘆き、そして移住者は悪と思われている。
それは当を得ていない。どんな移住者をロシアへ受け入れ、どんな移住者がだめなのか、我々が討論している間にも、我々から出た移住者を他の諸国が選別しているのだ。
ところが我々は、回避する事の出来ぬ自国の老いる「(人的)資源」とともに取り残される事になる。
定住者を驚かす二つ目の神話は、旧ソ連圏諸国からロシア系移住者が間もなくロシアへどっと押し寄せてくるというものである。
それは発生しない事が判明した。カザフスタン、ベロルーシ、モルダビアでは、ここ数年、ロシア系住民はとても老齢化し、定住するためにロシアへ移ろうとする意欲は無くなった。
 ソコリンの話しによれば、2020年度には中等学校卒業生の誰でもが高等教育を受ける事が出来るようになるそうだ。従って、その頃にはロシアの高等教育機関の間で、中等学校卒業生の獲得をめざした競争が極限まで白熱したものとなり、我々はその時になって、最近の20年間で何と余計な教育機関を増やしてしまったのかと、やっと理解する事になる。
多数の新設大学をその終焉から救うのは、教育年限を増やす事である。
例えば帝政時代のロシアでは、若者は18歳から20歳ぐらいまで成果を上げつつ勉強したものだが、現在では28歳ぐらいまでも勉強している。
この事が二つ目の高等教育を受ける機会を与え、幾つかの高等教育機関の寿命を保障する事になる。
 三つ目の失墜した神話は、農村が急激に老いてゆくロシアを救うというものである。
救いはしない。農村の出生率は今のところ都市部の出生率を上回っているが、病的なほどの飲酒癖のある農村住民の新生児の「質」を良くしたい希望は相変わらずである。というわけで、残る期待は回教徒の移住者に対してである。彼らの家庭ではあまり飲酒はしないし、出生率は高い(今のところ、彼らは都市部へ移動していない)。
 かてて加えて、我々の男性の貴重な自分の人生に対する無責任な対応が見受けられる。
毎年ロシアでは20万人の健康な男性が、自殺、飲酒、交通事故などの不自然な原因で死亡する。これは今後とも増えそうだ。なぜならば、ルーブルで与えられる物質的な特典を、農村部の住民は薬を購入する費用や都市への旅行代として使うのではなく、飲酒代にするのである。ここでは、俗に言うように、統計へも目を向ける必要はない程だ。男性が死んでいき、出生率と労働可能人口数が減少していく。したがって、残った人々が子供と老人を養う事はますます困難になる。アンナ・アメリキナ
http://main.izvestia.ru/economic/25-04-04/article82124
イズヴェスチャー紙2004年4月25日付け
ロシアの人口数を維持する為には移住者を必要とする
アナトーリー・ヴィシネフスキーのロシアの人口予測
 もしもロシアが現在の自国の人口数を維持しようとするならば、毎年70万人から100万人の移住者を受け入れなければならない。
ロシア科学アカデミー国民経済予測研究所人口統計学及び人間生態学センター所長であり、ロシア自然科学アカデミー会員でもある高名な人口統計学者のアナトーリー・ヴィシネフスキー(AnatolijVishnevskij)は、自己の報告の中で、この事を伝えている。
我々の人口は減少してゆく
 もしも移住者に期待しないで、全てが現在の状況のままであるとすると、現在の低出生率と異常な高死亡率のもとでは、2025年のロシアには現在の1億4千5百万人の代わりに、1億2千5百万人が生活している事になり、2050年には9千8百万人となり、2100年にはロシア人は6千4百万人だけとなる。2000年には自国の人口がまだ世界で6番目だったのに、現在は8番目であり、2050年には18番目ぐらいまで後退する。
アナトーリー・ヴィシネフスキーが率いる人口統計学及び人間生態学センターの予測はこんなものである。
 経済的、地政学的観点から、これほど広大な国土にそれほど少数の国民では、破局である。何らかの対策を講じなければ破局は起こる、とヴィシネフスキーは言う。人口数は出生率、死亡率、移住の三つのパラメーター次第であるという事を理解するならば、選択の幅は大きくはない。
 出生率を引き上げる?それは現実的ではない。出生率は全ての先進諸国で低下しており、ロシアでの出生率低下曲線はドイツ、又はイタリアとよく似ている。これは全世界的な傾向である。ついでに言えば、そこには一つの興味深いニュアンスがある。ロシアの人口は1992年まで増加したが、その後はその数が急激に減少し始めた。それを大変苦しい時代や、邪悪な改革が原因であると説明する人々がいる。実際のところ、原因はそうではない。
 『これはだいぶ以前に予定されていた事だった。』と、ヴィシネフスキーは言う。『人口統計学者はこの事を知っていた。20世紀初頭のロシアは史上最も高い出生率の一つを有する国であった。しかしその出生率は20世紀の全期間で低下し、1992年には自然増加がマイナスに転じ、移住による増加ではもうカバー出来なくなった。』
 出生率とは、それが低下すれば、以前のレベルへそれを戻す事がもう出来ないものである。ともかく逆の前例は無いのである。
 『ポーランドでは堕胎を禁じる方法で出生率を上げる事が出来たという意見がある。
ルーマニアは堕胎を禁止して孤児が増えたが
その出生率は我々のところよりも高いが、しかし全く小さな数値である。ロシアでの出生率が人口数を単純に維持できるレベルになるよう、現在のように一人の女性が平均1.3人の子を産むのではなく、2.2人子供を産むようになる事への期待は全く出来ない。GNP(国内総生産)は倍増できても、出生率はできない。そしてもしロシアにおける出生率が西側諸国のような状況だとすれば、我が国の死亡率は全くひどいものである。』と、ヴィシネフスキーは言いグラフを取り出したが、そこでは外国の男性と女性の平均寿命曲線が上向きになり、ロシアのそれは下向きになっていた。フィットネスは助けにならない。

希望は移住者である

 ロシアでは西側諸国よりも常に寿命が短かった。1900年ではロシア人男性とアメリカ人男性の寿命の差は15.9歳であり、2000年には15.2歳である(女性の場合はそれぞれ16,2歳と7.5歳の差)。ロシア人をフランス人と比較すると、1900年では12.7歳(女性では14.1歳)であり、2000年では16.5歳(女性は10.8歳)短くなっている。この問題にどう対応すれば良いのか、わからない。 ヴィシネフスキーは、抗生物質拡販の導入後、西側諸国では寿命が著しく延びたが、ロシアではそれほどの著しさではなかったものの、寿命は延びた事を指摘した。抗生物質は感染病、結核、その他からの死亡率を根本的に低下させる事ができた。
その後、効果は尽きてしまい、沈滞が訪れた。
西側諸国の政府は、更にどんな方法で自国民を手助け出来るのかを考え、健康的な生活様式に関する意識を国民の間に根付かせた。
外国では、人々が食事、エコロジー、スポーツを気にかけるようになった。
これで更に何年か寿命が延びた。
 ロシアでは全く違う事は起こらなかった。
人口はこれまで通りに減少している。
200年後、誰が広大な小麦畑に種をまくのか、大統領選挙に投票するのか、あるいは『葦はそよいだ、木々はしなった♪"шумелкамыш, деревьягнулись♪"』は誰が歌い上げるのか、大きな問題である。
 従って、おのずと結論が出てくる事になる。
現在の国内人口数の維持をしてくれるのは移住者たちだけである。
この為には毎年ロシアへ70万から100万人が流れ込み、永住してもらわなければならないとヴィシネフスキーは考えている。
もしもそのように進行すれば、2100年には国内人口の60パーセントは移住者と移住者の子孫が占める事になる。
『大規模な移住が人口低下に対する唯一の方法であるという事に、私には全く疑問は無い。』と、ヴィシネフスキーは言う。
『しかし、これには様々な脅威が伴っている。
もしも第一案で、あるがままの成り行きに任せておけば、敗北するだけである。それなら第二案で、移住者を積極的に受け入れると、それは大変危険でもある。
その案が何らかの希望を与えるとすれば、もしもそれに結びついた全ての危険が理解でき、もしも人々の順応と統合のシステムが作り上げられる場合のみである。
しかし、今のところ、我々には全く違った案は無い。』アナスターシア・ナルィシキナ