inflammatory bowel disease(自然免疫と炎症性腸疾患
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/110/5/110_753/_pdf
抜粋転載開始
要旨 自然免疫機構の制御異常が炎症性腸疾患の病態に関与することは
疾患感受性遺伝子 NOD2遺伝子変異の同定以来
注目されてきた
最近の GWAS の進歩により
続々と炎症性腸疾患の疾 患感受性遺伝子が同定され
その中には自然免疫に関与するサイトカインや
シグナル伝達分子に加え
オートファジー
ER(endoplasmic reticulum)ストレス、インフラマソームといった
細胞レベルでの恒常性維持に関与する分子が含まれている
また腸内細菌叢の研究が進み特定の腸内細菌やその菌体成分が
宿主の腸管免疫を制御していることも明らかになりつつある
これらの新たに登場した病態論を解説し
炎症性腸疾患における自然免疫機構の破綻について考察する

はじめに
自然免疫応答異常は
炎症性腸疾患(inflammatory bowel diseaseIBD)の
病態形成に強く関与し
特にCrohn病疾患感受性遺伝子NOD2
(別名 CARD15)遺伝子の同定を機に
飛躍的に研究が進みつつある
現在までに
genome wide association study(GWAS)により
100を超えるIBD疾患感受性遺伝子が同定されている
その中に自然免疫応答に関与する分子が数多く含まれている
さらに腸管免疫学と腸内細菌学の進歩により
腸内細菌が宿主の免疫システムを制御していることもわかってきた

innate lymphoid cell(ILC)新たなプレイヤー が
腸管免疫学の分野に登場し
これらの細胞も
従来の樹状細胞やMφといった自然免疫細胞と同様に
腸管の恒常性維持や
慢性炎症の惹起に関与していることが解明されつつある
加えて細胞レベルでのストレスに対する恒常性維持のメカニズム
すなわちオートファジーや
endoplasmic reticulum(ER)ストレス応答の異常が
IBDの病態に関与することもわかってきた
本稿では目覚ましいスピードで研究が進む IBD病態における自然免疫応答異常について
近年のトピックスを中心に概説

自然免疫に関する疾患感受性遺伝子の同定

IBDにおける自然免疫応答異常の関与を決定的に裏付けたのが
Crohn病疾患感受性遺伝子 としての
NOD2遺伝子の同定である
NOD2分子は
菌体成分である
muramyl dipeptide(MDP)
を認識する細胞内分子である
NOD2の同定は
細菌や菌体成分に対する応答異常がCrohn病発症に強く関与する可能性を示唆している
さらに、GWASの開発がIBDにおける疾患感受性遺伝子の解析を飛躍的に進めることになり
現在までに約100のIBD疾患感受性遺伝子が同定されている
同定された疾患感受性遺伝子の中には
NOD2
CARD9
ITLN1
といった自然免疫応答に直接関与する分子や
IL-23R
STAT3
TNFSF15(TL1A)
などMφや樹状細胞による
Th17免疫応答の誘導に関与する分子
後述するオートファジーやERストレスに関与する分子などが含まれている

II 腸内細菌と腸管免疫応答
ヒト腸管には100兆個に及ぶ腸内細菌が生息していて
宿主の代謝機構や免疫学的恒常性維持に重要な役割を担っている
腸内細菌とそれに対する免疫応答は近年飛躍的に研究が進んだ分野の1つであり
その中でも腸内細菌による宿主の免疫制御機構が明らかになったことは重要である
免疫学においてTh1、Th2細胞に続き
制御性T細胞(Treg)や
IL-17を産生するTh17細胞が同定され
自己免液疾患や慢性炎症性疾患において詳細な病態が解明されつつある
IBDにおいてもこれまで
Th1とTh2でしか語られてこなかった病態に
Treg や Th17 が
新たなプレイヤーとして登場してきている
腸管におけるこれらのT細胞分化に
腸内細菌の存在が大きく関与していることが明らかとなった
Ivanovらは小腸の常在菌である
segmented filamentous bacterium(SFB)が
腸管粘膜の Th17 細胞の誘導を制御していることを明らかにした
この発見はTaconic Farms とJackson Laboratory という2つの大きなマウス供給施設の野生型マウスにおいて
Th17細胞の存在と
小腸常在菌を比較検討した結果明らかになったものである
この事実は SFB が Th17 細胞を誘導するという事実だけでなく
遺伝的背景が同じでも
飼育環境すなわち環境因子が異なれば
腸内細菌叢が異なり
結果として宿主の免疫学的バランスに変化が生じうることを示している
またAtarashiらは腸内細菌由来の
adenosine 5'-triphosphate(ATP)が
CD70 high CD11c low 樹状細胞を介して
大腸粘膜Th17細胞を誘導することを明らかにした
IvanovらとAtarashiらの報告は
小腸と大腸におけるTh17 誘導メカニズムの違いを
腸内細菌の違いから説明するもので興味深い
Th17同様
Tregの誘導も腸内細菌が制御していることがわかってきている
Atarashiらは
Clostridium属が大腸のFoxp3陽性Tregを誘導することを報告している
いっぽうBacteroides fragilis由来の
polysaccharide A(PSA)が
Foxp3陽性Tregを誘導することも報告されている
このように腸内細菌が宿主腸管の免疫学的発達や
恒常性維持を制御している可能性が示唆されている
RAG欠損マウスに
T-bet欠損マウスを掛け合わせたマウスは
潰瘍性大腸炎類似の大腸炎を自然発症する
このマウスの腸炎は水平伝播する自然免疫応答の異常が
大腸腸内細菌叢を腸炎惹起性に変化させた可能性が考察されている
Devkotaらは、Th1優位の自然腸炎を発症するIL-10欠損マウスに
飽和脂肪酸を付加すると
腸内で Bilophila wadsworthia が増加し
腸炎がより早期に発症し増悪する ということを明らかにした
これは遺伝的素因に食事因子が加わることで腸内細菌叢が変化し腸炎発症時期が早まることをはじめて証明した重要な知見である

宿主側から腸内細菌叢を制御している因子として
腸管上皮細胞や
パネート細胞が産生する
抗菌ペプチドがある

パネート細胞はα-ディフェンシンを産生し
腸内細菌の調整や宿主の防御に関与しており
腸管上皮細胞が産生する
RegIIIγも
抗菌作用を有し
腸内細菌叢の調整に関与している

ヒトIBD病態においても腸内細菌の関与を示唆する知見が集積しつつある

回腸に病変を有するCrohn 病において
adherent-invasive E.coli(AIEC)
が関与している可能性を示唆する報告が複数存在する
さらに数多くの16S rRNA シークエンスによる解析から
確かにIBD患者では腸内細菌叢のバランスが崩れていることが明らかとなっている
ただしこれらの報告の示す腸内細菌叢の変化が
IBDの原因なのか結果なのかについてはいまだ明らかではない
現在欧米の一部施設で進められている
IBD患者に対する健常人のfecal transplantationの臨床試験が
この質問に答えを出すかもしれない
興味深いことに腸内細菌のみならず真菌も腸 内環境に関与している可能性が示唆されている

Dectin-1(CLEC7A)遺伝子多型は
重症型潰瘍性大腸炎のリスクに相関することが報告されているが
Dectin-1は真菌に対する応答を制御しており
Dectin-1欠損マウスでは
真菌に対する宿主の応答が変化し
dextran sodium sulfate(CDSS)誘発大腸炎が増悪する

III IBD における自然免疫担当細胞の関与
1 Mφと樹状細胞
Mφは各組織において貪食細胞として異物や細菌を貪食し一次的な防御機構を担うとともに
場合によっては抗原提示細胞として獲得免疫系への橋渡しも行う
さらにMφは創傷治癒や免疫学的恒常性維持など多様な役割を担っていることがわかり
近年はT細胞と同様に
M1 および M2-Mφ と
機能的に分類されるようになってきている

M1-Mφは
TNF-α
IL-12
IL-23
といった炎症性サイトカインを産生し

M2-Mφ は
IL-10 を産生し
恒常性維持に寄与する

興味深いことに腸管に常駐するレジデントMφ(腸管 Mφ)は
免疫学的恒常性維持に働く M2-Mφ であると考えられ
マウス腸管 Mφ は
LPS や細菌に反応して
IL-10を高産生する

Takadaらはさらに詳細な解析を行い腸管は
IL- 10の産生性で
2つのsubpopulationに分類されることを報告した
マウス腸管Mφはin vitro で
骨髄CD11b単球からmacrophage colony stimulating factor(M-CSF)で分化誘導されるMφに
IL-10 産生性などの点で機能的に類似している

事実M-CSFシグナルに異常が認められるop/opマウスでは
腸管Mφの数が減少している
さらにDenningらは
腸管Mφが抗原提示細胞として
Foxp3陽性Tregを誘導しうることも明らかにしている
ヒトの腸管Mφについても
貪食能を保持したままであるが
LPS や 細菌刺激などに対して
炎症性サイトカインを産生しにくい性質を有していることが明らかとなって いる
腸管粘膜は腸内細菌や食事抗原に常に曝露されており
病原体の侵入の危険も高い
したがって速やかに侵入してきた病原体を排除すると同時に
過剰な炎症が持続することのないように制御する必要があり
この点において腸管Mφが M2-Mφであることは極めて合目的であるといえる

この腸管Mφに機能異常がおこると
腸管免疫の恒常性維持が破綻し慢性炎症が引きおこされる
Crohn病のモデルとして用いられるIL-10 欠損マウスでは
Mφや樹状細胞などの抗原提示細胞が
Th1免疫応答を強力に誘導し
病態に関与している
IL10欠損マウスの腸管Mφ は
腸内細菌刺激に対して
IL-12p70を過剰産生
野生型マウスの腸管Mφが IL-12p70を産生せず
IL-10を産生するのと比較して極めて対照的である

IL10欠損マウス腸管Mφにおける強力なIL-12p70産生には
腸内細菌の貪食による取り込みが重要であることも判明している
したがってIL-10欠損マウスにおいては
腸管Mφが治療標的となり得
事実腸管Mφの除去によっ て腸炎は改善する
さらにAndouらはアミノ酸の1つヒスチジンが(続く

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1 社会「良いコメができた」東大で福島・浪江町で収穫されたコメの試食会開催
322 322自治スレでLR変更等議論中@転載は禁止[] 2015/01/18(日) 17:35:54.39 ID:Ro3SK4gaO
>>1 1
だからさー、空間中電離放射線量が高い→大気中窒素→亜硝酸→雨で土壌へ(窒素固定)→作物の実りが良くなる(桃のできも昨年良いらしいし)

324 324自治スレでLR変更等議論中@転載は禁止[] 2015/01/18(日) 17:41:51.55 ID:Ro3SK4gaO
>>322 322
空気(窒素ガス)から肥料作るのって装置が高価になる、下水沈澱泥や牛糞から窒素固定した方が安上がりなのでので空気の窒素固定はしないらしい

1 社会 つまようじ少年
699 699自治スレでLR変更等議論中@転載は禁止[] 2015/01/18(日) 13:03:20.08 ID:52lp1yOaO
>>641 641
萌えたw