銀河の1票第5話、かなり“助走回”なのに妙に沁みる回でした。
まず、流れる大黒摩季の歌がズルい。
あの「負けっぱなしでも、それでも前に進むしかない人間」を肯定する感じが、作品の温度と妙に合っている。単なる懐メロ消費じゃなくて、“くたびれた大人たちの応援歌”として機能しているのが良かった。
そしてシシド・カフカ。
この人、ただカッコいいだけじゃなく、“生活の疲労感を背負った強さ”を出せるのが本当に上手い。今回の「やり手だけど全部を器用には回せないシングルマザー感」が絶妙で、
- 仕事はできる
- 空気も読める
- でも人生は全然ラクじゃない
という現代のリアリティが滲んでいる。
しかもシシド・カフカって、ロックミュージシャン的な「他人に媚びない空気」を持ってるので、ドラマに一人いるだけで画面が締まるんですよね。昭和ドラマの“肝の据わった姐さん役”を令和的に更新した感じ。
あと、前半5話が完全に『七人の侍』構造なのも面白い。
つまり今やってるのは“戦い”ではなく“仲間集め”。
- バラバラの事情を抱えた人間が
- 少しずつ集まり
- 利害ではなく「この人のためなら」で動き始める
という、王道中の王道。
でもこの作品、そこに現代日本の「政治不信」「生活苦」「孤立」を混ぜてくるから、単なる勧善懲悪にならない。
みんな少しずつ疲れている。
でも誰かを見捨て切れない。
その“弱い連帯”を描いてるのが今っぽいです。
そして毎回思うけど、野呂佳代は本当にハズレ作品少ない。
大島育宙の「野呂佳代出演ドラマにハズレなし」、かなり分かる。
野呂佳代って、演技が上手いというより、“人間の体温を画面に足せる”タイプなんですよね。
美人役でもエリート役でもない。
でも、
- いると空気が柔らかくなる
- 会話に生活感が出る
- 登場人物が「ちゃんと飯食って生きてる人」に見える
という特殊能力がある。
だから社会派でもコメディでも、「現実との接点」を作れる。韓国ドラマでいう“街の空気を持ち込める役者”に近い存在かもしれません。
第5話は派手な回じゃないけど、“このチームで本当に戦うんだな”という手触りが出てきた重要回でした。
ここから後半、たぶん「理想だけでは勝てない現実」が一気に来る気がします。
