暗い暗い海の中で、呼吸ができず

苦しみ続けるような感覚。

鮮やかだった世界が、突如として灰色になり

全てに対する前向きで豊かな感情が消えてなくなった。


美しいものを見ても、美しいと感じない。

バラエティ番組も、漫才も、YouTubeも、

何を観ても笑うことができない。

人との会話すら、無理やり普通に振る舞うのが

辛かった。

味のしないご飯と、無気力で長く感じる1日。


あれ?私どうやって生きてたっけ。

たのしい、ってなんだっけ。


つらいつらいつらい。消えたい。

全てなかったことにしたい。

死にたい。


綺麗になりたかっただけなのに。

自分で自分の姿形を壊してしまった。

ごめんなさいごめんなさい。


寝ている時間だけが現実を忘れることができていたのに、ついには眠れなくなった。


一晩中、自分を責め続け、呪う。

なぜあんな決断をした?

なぜ生まれ持った自分の姿を受け入れてあげられなかったのか。


今まで辛いことがあっても精神に異常はきたすことがなかったが、生まれて初めて精神がおかしくなった。


ずっと何とか保ってきた精神が瞬く間に壊れた。


落ち着かない。仕事中もじっとしていられない。家にいる間も部屋の中を徘徊。

家にいるのに、もう帰りたいという感情が沸く。


声をあげて、泣き続ける。

かと思えば、狂ったように急に笑い始める。


意味もなく暴れる。柱など、あちこちに頭を打ちつけたり、のけぞったり。

力尽きたら、四つん這いに這いつくばって、項垂れる。ドン底の時、人って本当にこのポーズになるんだと冷静に思った。


たすけて…しにたい…殺して…とブツブツ言いながら、徘徊→ベッドで寝ようとする→寝れないので

徘徊


ご飯を食べられなくなり、無理やり押し込んだものも吐いてしまう。何も食べてないのに吐き気がする。胃が弱って、キリキリと痛む。


鏡を見て吐き、整形前の写真を見て吐く。

過去の自分も今の自分も醜く受け入れられない。


ずっと変な汗をかいて、上半身は暑くてたまらないのに、足は死んだように冷たい。冷房をつけても厚い布団を被っても、どちらも苦しい。


徘徊をしているせいか、絶望による精神的なものか、足に力が入らなくなった。

まだ若いのに、立っていても歩いていても、

ふんばる足の力が失われた。


生きるって何だっけ。

寝れないし食べれない、自分を責め続けて

苦しいのに生きる意味なんてあるの?


希死念慮が止まらなくなった。

ホームを見ては飛び込もうか、

ビルを見ては飛び降りようか、

道路に飛び出して轢かれたらいいのか。


人間の姿じゃなくなった自分には生きる意味も希望もない。

綺麗になること、自分磨きを生き甲斐に感じていた私は、行き過ぎた美意識で己を殺した。


運良く死なないか、どうやったら楽に死ねるかを考え続けた私は、ついに首吊りを決行することになる。


ああ、もう私疲れたよ。

むしろここまでよく頑張ったね。

本当は幸せになりたかったよ。

自分を心から好きになりたかった。



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