太郎平で迎えた朝。
天気もまぁまぁ。
ぐっすり眠ったし。
身体も・・・うん、軽い!
体調も戻ったところで、この日のルートを決定。
テントに荷物を半分残し、身軽になって薬師岳を目指す。
ピストンし、太郎平に戻って撤収。薬師沢へ向かう。
よし、今日からはいつも通り歩くぞ~~~!!
と、歩き始めて数分後、突然の頭痛と吐き気に襲われた。
あまりの気持ち悪さに立っていられない。
今にも座り込みそうなわたしに、相方の冷たい、いやいや心配そうな視線。
これで、何度目の「帰る?」だろう。
これがウワサの高山病???
でもでも!
まだ標高2300メートル。
しかも、昨日の夜はここに泊まったのに。
ありえない!
だけど、もしも高山病だったら、これ以上登ったらもっとひどくなるってこと!?
「どうするの?」
またまた冷たい、あ、いやいや心配そうな、相方の声。
どうするの?って言われたって、どうすればいいの?
そう、被害者意識たらたらのわたしには、どんな言葉も冷たくきこえてしまう。(ごめんね)
これは本当にご帰宅コースだろうか・・・?
だって、このままじゃ歩けない。
でも決めなければ!!
そして決断する。
とりあえず登る!
せめて薬師岳だけは登りきる!
じゃないと、ここまで来た意味がなくなっちゃう。
そして、もしもこのまま調子が悪かったら、ひとりで下山しよう。
そう決めて、歩き始める。
昨日よりもつらい。
何倍もつらい。
吐き気も、全く治まる気配がない。
スタートしたばかりで元気いっぱいのツアー客を次々と先に行かせて、
1分歩いては休み、また1分歩く。
何やら話しかけてくる相方の言葉はことごとく無視。
お願い!今は話しかけないで! と思いはするが、声を出すのもキツい。
結果的に、無視。
1年前から楽しみにしていた夏休み縦走は、これで終わってしまうんだろうか。
薬師岳にすら登れずに、帰ることになるんだろうか。
こんなはずじゃなかったのに・・・

青空が顔を見せ始める。
ここで初めて、ザックにしまい込んでいたカメラを取り出してみる。
大好きな空に励まされながら、1歩1歩。
先はまだまだ見えないけど、登りきってやろうと改めて決意する。