童観の書道豆知識🌱

 
墨が「にじむ」理由、そして、「にじむ」恐怖から脱出する方法です。
 
 
 
毎月提出する清書作品は、できればスッキリきれいな線で書きたいですよね
 
筆に墨をつけすぎないように気を付けているんだけど、それでもにじむ…という方も少なくないと思います。
 
そして、
にじむ恐怖から逃げたいがために、運筆のスピードが早くなり、雑になってしまう方も多いように思います。
 
 
 
先生はゆっくり書いてもにじまないのに!
私が書くとなぜ?
というお声もしばしば…
 
ここだけの話…
先生がにじまない理由は、
 
 
気合いだーーー!?
(嘘です)
 
 
 
まずは、にじんでしまう人の特徴を。
 
Aパターン
穂先(特に先端)についている墨汁が多すぎ
→解決方法
筆に墨をつける時には、穂の中に染み込ませ、
先端や外側についている墨は硯(すずり)の縁などできちんとそぎおとす。
 
Bパターン
筆圧(穂を紙に押し当てる強さ)が強すぎ
→解決方法
特に書き始め、転折(曲がり角)、止め、跳ねの部分で筆圧を弱めて軽く書くようにする。
 
だいたいどちらかです。
(両方の場合も…)
 
 
特に多いのが、Aパターン!びっくり
 
Aパターンの人はこんな感じになっています。
墨継ぎや穂先を直すときに、硯(すずり)の上で「ちょんちょん」と筆の先端部分だけに墨をつけて、すぐにまた書き始めてしまう…
 
特にせっかちな人は、お手本や書いている途中の字を見ながら無意識にそれをやっています。
 
 
硯(すずり)の平らな部分(丘または陸)で穂先を整えたりすると、墨汁で濡れた状態になります。
そこで何度も筆を整えると先端部分に墨汁がつき、それがにじみの元になったりもします。
硯の丘の部分は固形墨を磨る場所ですから、書くときには使わないようにしたいですよね。
 
 
 
 
 
【ポイント】
穂の中に染み込ませた墨汁はにじみません。
書いている時に徐々に穂先に降りてきて、ゆっくり書くことでちょうど良い具合に紙の上に移って行くからです。
 
逆に、穂の先端や周囲に付いている墨汁は、少量でも紙に接した瞬間に一気に流れ出てしまうので、にじみます。
墨をできるだけ付けないように「先端にちょこっとだけつけている」つもりでも、穂の先端部分に余分な墨をつけてしまっているから「にじむ」のです。
 
「穂先にちょっとだけ墨をつける」のはやめて、「穂の中に墨を含ませ、先端や外側の余分な墨を、硯の縁できちんとそぎおとしてから書く」ようにルーティン変えましょう♪
 
 
 
 
そうなんです。
 
墨継ぎや穂先の形を直す時にも、ゆっくり丁寧な作業ができるかどうか? によって、線や作品の美しさが変わるのです。
 
思い通りの線にならないとき…
実は多くの場合「体勢や所作、準備段階に原因がある」のです。
 
 
 
打ち込む体勢を作るのが先で
剣はそれに従うものだ
宮本武蔵
 
 
 
それは筆も同じだ
矢野童観
 
 
なんちゃって…
 
 
Bパターンの人はシンプルです!
 
とにかくリラックス照れ
余計な力は一切要りません
できるだけ力を抜いて軽く書きましょう♪
 
でも、
人によって「力を抜く」「軽く書く」のイメージや程度が全然違います。
 
どの程度軽く…が適切なのか?
よくわかりませんよね。
 
それを発見するには、
いろんなレベルの"力の抜き加減"を試して比較してみるしかありません。
 
筆を強く摘まんだり握りしめてしまう生徒さんや、紙の上にドスンと筆を置いて書いている生徒さんには、
「失敗してもいいから、自分の常識を越えるくらい、想像を絶するくらい軽く書いてみてください」
とお伝えしています。
 
私がどのくらい軽く丁寧に筆(穂先)を扱って書いているのか? 
一緒に筆を持って書いてみるのもわかりやすいと思いますので、ぜひ教室でお申し付けくださいニコニコ
 
 
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矢野童観 プロフィール
http://doukanyano.wixsite.com/sho-do-can/doukan