横浜アリーナのエントランスホールに鳴り響く
ヘビーローテーションの着信音
有働留美の手がiphoneに伸びる
「もしもし 」
「... 」
「もし もし」
「... ..」
「 ダメ! 切らないで! 」
「いいんですよ 私は 今ここで起こっていることを
記事にしても.。 いいんですね、秋元先生 」
電話の向こうで微かに聞こえる人の声
じっと待つ有働留美 胸の鼓動がiphoneに伝わる
「誰なんだよ 君は 」
耳に刺さるように響く秋元の声
「有働です!日刊スポーツAKB担当 23歳 京都大学出身の
有働留美です! 」
「... 」
「お、お会い出来ませんか あの~怪しいもんではないです
えっと~敵意もないです ただ その お話を..」
" 何言ってるんだ、落ち着け私! "
大きく息を吸い込み呼吸を整える有働留美
「お願いします 秋元先生 お話をお聞きしたいだけなんです
記事に何かする気なんて全然ありません
日刊スポーツの記者ではなく、由依の、いや横山由依さんの
友としてお話を聞きたいだけなんです
何かこのまま行くととんでもない事に
成りそうな気がして... 」
「スターバックス..」不意に聞こえる秋元の声
「えっ!」
「新横浜のスターバックス。7時半まで居るから。」
「ハ、ハイ ありがとうございます!
すぐに、えっと、3分で行きます!」
脱兎の如く駆け出す有働留美
「 こんな日の為に毎日ジムに通ってんだよ、私しゃあ! 」
現在7時25分、間に合うのか!有働留美!
~to be continue