聖母観音大菩薩
~1977年~
監督:若松孝二
脚本:佐々木守
Rー18
主な出演者
八百比丘尼・・・松田暎子
少年・・・佐久田修
少女・・・浅野温子
老人・・・殿山泰治
中年男・・・北山弥太朗
青年・・・蟹江敬三
若い女・・・鹿沼えり
若者・・・石橋蓮司
若者の母・・・阿部寿美子
若者の妹・・・江下由美子
簡単なあらすじ
椿咲く若狭彦神社で奉仕の日々を送っているのは、800年生きてきたという八百比丘尼。今日も老人に尽くしていたが、彼女こそ仏、観音様と涙しながら老人は死んだ。八百比丘尼は慈悲の心で青年・若い狐女・若者へ接するも、中年男にある喜びを与えてしまい・・・
レビュー
夏本番ですねー暑いですねー。夏といえばどうしても怪談・お化けものを観たくなって・・。昨年・一昨年とこの時期に「京都妖怪地図」に触れてきましたが、今年は「八百比丘尼伝説」について
各地での違いはありますが、「八百比丘尼伝説」とはおおまかにざっくりと
人魚の肉を食べた娘は歳をとらない不老長寿の身となって全国を巡る。各地に椿などの木を植え、最後は若狭の地で入定し、姿を消した
一部の地域を除いて全国に分布しているという「八百比丘尼伝説」、日本の伝説上の人物が八百比丘尼です。凄いですね。愛知県春日井市の寺院に「八百比丘尼堂」、京都府宮津市に「八百比丘尼の塔」、福井県おおい町に「尼来峠」、栃木県栃木市には「八百比丘尼尊像」、そして晩年に仕えたとされる福井県小浜市の寺院境内に「八百姫宮」や「八百比丘尼入定洞」等(ウィキペディアより)、全国的に八百比丘尼にまつわる建造物等があるようです
夏休みやお盆期間中に国内旅行を計画されている方は、日本の歴史を紐解くという意味でも、全国に分布している八百比丘尼伝説や建造物等に触れてみるのも面白いかもしれませんね
さてさてだいぶ脱線しましたが、今回の記事はその八百比丘尼をモチーフとした映画「聖母観音大菩薩」。1977年若松孝二監督による、松田暎子さん主演の作品です。この二人は衝撃作「愛のコリーダ1976」でもタッグ。エロスファンタジー(R-18)に仕上がっています
八百比丘尼の晩年の地「若狭彦神社」を舞台としていますので、伝説的には「結」部分。娘が人魚の肉を食べるまでのくだりや、その後の家族との決別、全国巡業などの経緯は省いた映画となっています
八百比丘尼を演じる松田暎子さんが「800年も生きてもう死にたい」と、人々に接していきます。この映画は、生と死をテーマにやさしさ・いたわり・思いやりを官能的に描いた作品
俳優陣が最高!かさぶた乞食老人役に殿山泰治さん、犯罪者青年役に蟹江敬三さん、住民に殺されかける若者役に石橋蓮司さんと、個性的で濃いキャラの俳優さんたちです。たまりませんね
そして若い浅野温子さんが少女役に。声も若く可愛い浅野さんです。終盤にヌードを披露、映画「スローなブギにしてくれ」でも思いましたが、スタイル良く美乳な浅野さんから目が離せません
さて、怪談やお化けとはちょっとイメージが違いますが、伝説をモチーフとした当作品「聖母観音大菩薩」。家族で気軽に観れる映画ではありませんが、お盆を目前に鑑賞してみてはいかがでしょう?そして、日本の歴史に触れてみてもいいかもしれませんね