キャタピラー

 

2010年

英題:Caterpillar

監督:若松孝二

 

 

 

 

 

 

主な出演者

 

黒川シゲ子・・・寺島しのぶ

黒川久蔵・・・大西信満

黒川健蔵・・・吉澤健

黒川忠・・・粕谷佳五

黒川千代・・・増田恵美

村長・・・河原さぶ

 

 

 

 

 

簡単なあらすじ

 

 徴兵を受け帰還した黒川久蔵。しかし、四肢を失い、話せず耳も聞こえない状態だった。村人から軍神様と称えられ、妻であるシゲ子は夫の世話を献身的に尽くす。彼には妻も知らない秘密があった。そして終戦を迎えたある日、ある行動を起こす

 

 

 

 

 

 

レビュー

 

 「キャタピラー」は2010年公開作品。キャタピラー(Caterpillar)とは「芋虫」の意でいいのでしょうか

 

 江戸川乱歩の短編小説「芋虫」をモチーフにしたとされていますが、諸事情によりクレジットに乱歩の名前が出てませんね

 

 乱歩の「芋虫」もいろいろあった作品のよう。原作どおりの映像化は困難とのことで、若松監督のイデオロギーが反映された作品に仕上がっています

 

 この作品で寺島しのぶさんが、第60回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞のほか、数々の賞を受賞。素晴らしい演技でしたね

 

 個人的には2007年の「愛の流刑地」が強烈に印象に残ってる女優さんです

 

 四肢を失った黒川久蔵を演じた大西信満さんも凄かった。表情や仕草で必死に伝えようとするその演技に感動。しかし、本当に手足がないように見えたんですけど、どうやって撮影したのか不思議

 

 寝ては起き、食欲と性欲にかられ、しかし手足がなく自分ではどうすることもできない。そんな夫に献身的に尽くす妻。夫婦生活を中心に描いた作品です

 

 異色な作品ともいえる当作品。鑑賞の際は、ある程度の予備知識を持ってからの観賞をおすすめします