蔵の中
1981年
原作:横溝正史 監督:高林陽一
 
 
 
 
 
 

 

主な出演者

 

 
蕗谷笛二・・・山中康仁
小雪・・・松原留美子
磯貝三四郎・・・中尾彬
お静・・・吉行和子
真野玉枝・・・亜湖
おみね・・・小林加奈枝
境内の娘・・・きたむらあきこ
 
 

 

 

 

簡単なあらすじ

 

 出版業を営む磯谷三四郎の元へ蕗谷笛二という若者が現れた。「蔵の中」という原稿を読んで欲しいという

 

 そこには、病弱で蔵の中にひきこもる姉小雪との生活が描かれていた。禁断の関係を持ったこと、遠眼鏡で三四郎の殺人現場を目撃したことなどが記されていた

 

 原稿を読み終え、慌てて蕗谷の元へ向かう三四郎が見たものは?

 

  

 

 

 

 

 

 

レビュー

 

 

 「横溝正史はこんな作品も書くんだ?」と思わず疑ってみたくなるほど、貴重な作品でした。「犬神家の一族」「八つ墓村」「本陣殺人事件」「悪魔の手毬唄」とまるで違うんですもの

 

 屋根裏と思わせる蔵の中、姉と弟の禁断の関係、遠眼鏡から他人の生活を覗き込み、そして、ラストのオチ。まるで江戸川乱歩の世界

 

 

 物語は、三四郎が原稿を読み始めてから終わるまで、その原稿に書かれた内容の映像になります。異常な世界ですよ

 

 まあ、ラストに何かオチがあるんだろうと想像はできましたけど、なるほどねって感じ

 

 本日、2作品目の投稿(1作品目:これは時代劇? 伊賀忍法帖)となりましたが、2作品とも私の好きな中尾彬さんが出演、偶然です。今回の役もまた良かったですね。かっこいい中尾さんがある意味主人公なんです

 

 小雪を演じたのは松原留美子さん、ご存じですか?江戸川乱歩美女シリーズ「化粧台の美女」で、一色令子(萩尾みどり)の助手だったあの人ですよ。今どうされているんでしょうね?

 

 さて、金田一耕助が登場しないこの作品。貴重な稀少な横溝正史の世界へようこそ!