「魔術師」「吸血鬼」「黄金仮面」「蜘蛛男」「屋根裏の散歩者」「パノラマ島奇談」「暗黒星」「地獄の道化師」「黒蜥蜴」「悪魔の紋章」「緑衣の鬼」「D坂の殺人事件」「心理試験」「二銭銅貨」「湖畔亭事件」「陰獣」「盲獣」「白髪鬼」「押絵と旅する男」「影男」「十字路」「妖虫」「大暗室」「芋虫」「一寸法師」「白昼夢」「化人幻戯」

 

 

 書き出したらきりがありません。どれも素晴らしい作品ばかり

 

 

 

 そんな江戸川乱歩小説の中で私が一番好きな作品は

 

「人間椅子」

 

 

 

 江戸川乱歩作品といえば

 

 「エログロナンセンス」「フェティシズム」「残虐趣味」「グロテスク」「猟奇的」「変態性欲」・・なんて言われ方しますけど

 

 

 誰もが知る日本の探偵(推理)小説の先駆者

 

 

 私はポプラ社の少年探偵シリーズですっかり虜になり、その後、主に大人向けの長編小説を購読。「人間椅子」を初めて読んだのはだいぶ後でした

 

 

 好みは人それぞれなので、一番好きな作品はファンでも分かれるでしょう

 

 私にとっては「人間椅子」が断トツのナンバーワン

 

 それでは、まだ小説を読んだことのない方のために、物語の概要をネタバレしない程度に解説していきますね

 

 

 

 人間椅子概要

 

 

 閨秀作家:佳子の元へ一通の手紙(告白文)が届く。署名も表題もない「奥様」で始まる奇怪な手紙

 

 

 その手紙(告白文)の内容は

 

・私(手紙の差出人)は生まれつき醜い容貌の持ち主であること

・私は椅子職人であること

・出来上がった椅子に座っていろいろな妄想をしていたこと

・私の元へホテルからの注文があったこと

・人間が一人隠れることができる椅子を作ったこと

・その椅子の中に隠れて生活していたこと

・椅子に座った人々の肉体の感触を楽しんでいたこと

・椅子に座ったある日本人女性に恋してしまったこと

・その女性はあなた(佳子)であること

・醜い私に一度逢ってほしい

・願いを受け入れてくれるなら書斎の窓の鉢植えに合図のハンカチをかけて欲しい

 

 

 手紙を読み終えた佳子は当然に青ざめてしまいます。毎日腰掛けていた目の前にある椅子の中に人が隠れていたなんて

 

 悪寒を覚え身震いが止まらなかった佳子の元へ、もう一通の手紙が届いたのであった

 

 

 

是非小説を読んでみてください!

 

 

 「人間椅子」は短編小説です

 

 読み始めると同時にどんどん引きずり込まれていきます

 

 椅子の中に人が隠れる!?奇想天外な発想ですよね。乱歩らしいっすわ

 

 これこそエログロナンセンス

 

 想像するだけでざわざわ

 

 自分が座った肘掛け椅子の中に人が隠れていたなら・・・自分がその椅子に隠れてみたら・・・そんなことは現実にはあり得ないことでしょうけど、作ろうと思えば作れるのか、なんてね

 

 小説もあと1ページ

 

 そこで、とんでもないどんでん返し

 

 笑っちゃいました。なんという結末でしょう。その結末、実際に作品に触れてみてください

 

 

 

 

 

人間椅子の映像化作品一覧 

 

映画化

・人間椅子(1997年) 清水美砂、國村隼ほか

・人間椅子(2007年) 宮地真緒、小沢真珠ほか

 

ドラマ化

・江戸川乱歩シリーズ明智小五郎(1970年)第8話「貴方は覗かれている」

・江戸川乱歩美女シリーズ(1984年)第22話「禁断の実の美女」

・乱歩-妖しき女たち-(1994年)第2話「人間椅子」

・乱歩R(2004年)第1話「武田鉄矢乙葉で作る人間椅子」

・乱步奇譚(2015年)第1、2話

・シリーズ江戸川乱歩短編集II 妖しい愛の物語(2016年)第3話「人間椅子」

 

 

 

 映像化作品は、原作を大幅にアレンジした内容のものもあります。以下の画像は、江戸川乱歩シリーズ明智小五郎(1970年)第8話「貴方は覗かれている」より