「木本さん、
BTとFNAを宜しく」

ヤブ医者は嘱託獣医の木本に段取りを伝えてから来賓の接待の為、
早々と事務所に戻り
着替えてから園を出た。

ピ・ピ・ピ・・・・・


(う~ん、Tは普通だけどdiaが酷いとさっき阿部さんが言っていたからFTをしておこう)


木本は衰弱状態のピューマの回復を願いながら原因を探った。


ビィ~ン・・・・


[くそっ!!
また猫マニアが容態を見に来てやがる、
だがザマァ見ろ寝室にシャッターを設置したから見れないぞバ一カ]


ビィ~ン
キッ・・・

ジョバ
ジョバ
ジョバ・・・・

[フゥ・・ぶるっ、おう寒いなぁ・・・]


その頃、

「阿部や、大丈夫やそのトレーをくれ」

スッ・・・

「水を浅く入れ種を浮かす、そして発芽したら土に移して手入れするだけ」


(スカトロの倉庫から上等な土を掻っ払って来たから大丈夫やな)

「なるべく日当たりのいいところがいいからこの部屋を選んだ。
それと人の出入りもないし目もつかない」

(なぁ、腹減ったなぁ)

「あっ、ちょっと待て」

ゴソゴソゴソ・・・
福本は自分のショルダーバックからお菓子を出す。

(おおっ、ありがてぇ!!ちょっと自販機でコ一ヒ一買ってくるわ)

「あ、うんわかった、ホットで宜しく」

「当然やろこの糞寒いのに」

ヒッヒッヒッ・・・

バタン!!


その頃、福本が担当する象のデンスケは空腹に耐えつつ給餌を待ち侘び

ひたすら寒い寝室で弱っていっていたのであった・・・


つづく・・・