翔くんの顔がなんだか見られなくって。

通知も何もないスマホに視線を落とした。

画面は暗いままで。

こんなの見てたら、翔くんが不審に思うかも。

 

そうは思っても。

翔くんの瞳に映る自分を見ることができない。

 

 

 

直接会うのは、2ヶ月ぶりくらい?

ほとんど一緒に住んでるような生活してたけど。

一応、それぞれ別に家がある。

それだから、自粛期間中はそれぞれの家で生活してた。

 

いきなり始まった自粛生活。

翔くんはちゃんとご飯食べてるかな?

なんて心配してたけど。

事務所がそこら辺はちゃんとしてくれてた。

 

僕たちの活動のことで、焦れることもあったけど。

焦れてもしょうがない、自分たちができることを精一杯。

 

 

自粛生活が少しずつ日常へと戻る。

仕事もリモートから、対策をしながらも以前のように。

 

いつ、翔くんとの生活が戻るのか?

なんて思ってたら・・・その日はいきなりやってきた。

自粛生活の始まりも終わりもいきなりだった。

 

 

 

画面越しでは毎日のように顔を合わせていた。

言葉だって交わしてた。

仕事として交わす会話もあれば、二人きりの甘い言葉だって。

会えない分、甘さは強くて。

普段だったら、ベッドの中でしか聴けない言えないような言葉。

触れあえない寂しさが甘さを強めていってた。

 

 

いざ、自粛期間が終わって。

手を伸ばせば触れることができる。

大きく息を吸い込めば翔くんの香り。

ノイズカットされてない声。

それがまた日常に戻ってきたら・・・

 

画面越しの二人きりの会話を思い出して。

二人きりの時間が気まずいなんて。

バカみたいじゃん。

 

 

「智くん?どうしたの?」

 

いきなり間近で聞こえた翔くんの声に体がビクッと反応した。

翔くんは僕みたいには感じてないみたいで。

以前と全く変わらないように見える。

 

ソファーが揺らいで、すぐ隣に翔くんの体温。

すごい胸がドキドキして、顔が熱い。

 

なんで自分がこんなになってるのか、分かった。

恥ずかしい・・・んだ。

 

 

☆★

 

これは、あんまり長くはならないとは思うんですけども〜

短編と長編の境目ってどこらへんなんでしょうね?(笑)

3回位でザクッと終わらせてもいいけど〜

でも続くかも?くらいなので、一応長編くくりにしときます(笑)

短く終わったら、テーマを短編に変えときます〜