「てんちょー!

僕、櫻井さんに捨てられるかもしれません!

どうしたらいいんですか〜?」

 

「また?」

 

また、って・・・

そういえば、前にもこんな風にてんちょーに泣きついた気がする。

前にも・・・というか。

昨日のことだけど。

 

カクカクシカジカ。

松本様が、櫻井さんのお試しの相手で。

あと7回で、その間、隣に住むってことまで。

 

 

「結局、大野さんはお試しの続きは嫌だとは言えなかったんだ?」

 

「・・っていうか。

言う前に・・その・・・昨日は櫻井さんが帰ってくるなりっていうか。

そのぉ・・・夕飯を食べて間もなく・・・」

 

「ヤラレタわけね?」

 

「はい・・・あ、でも!

抜かずに2回!イかせたんです!

てんちょーが言った通り、ネットで調べたかいがありました!」

 

「あ・・・そう。

でも、問題はそこじゃないんでしょ?

お試しして欲しくない、ってのは、昨日何も変わってないよね?」

 

店長はデスクに寄りかかって、腕を組んだ。

男っぽい店長がそういう仕草をすると・・・

かっこいいんだよね。

 

 

「てんちょー・・・かっこいい・・・」

 

「大野さん・・・そんなこと言うと・・・

俺、食っちゃうけど、いいの?」

 

寄りかかったデスクから体を起こして、僕の方に近づいてくる。

肩に手を置かれて、ひっ!ってなった。

店長とお試ししたときのこと、思い出して。

 

 

「あれ?俺のこと嫌い?」

 

「嫌いじゃないです!大好きです!」

 

でも!違うんです!

 

 

「好きなら・・・いいよね?」

 

店長の顔が近づいてきた。