その日の夕飯は統一性のないメニューだった。

普段は和食なら和食、洋風なら洋風、中華なら中華となんとなく決まっているのに。

 

オムライス、そば、餃子、ポテトサラダ、貝の刺身。

正直・・・今日の夕飯だけで食べきれるのか?

と、思うほど。

一人暮らしの頃から使っている小さな座卓は皿でいっぱいになっていた。

 

 

 

「サトシ・・・・なんか、今日は盛りだくさんな夕飯だね?」

 

「あのね・・・おねえさんたちが教えてくれたの。

今日は特別な日、なんだって。

だから、翔くんの好きなものいっぱい作ってあげな、って。

きっと喜んでくれるよ、って」

 

「特別な日?」

 

なんか記念日だったろうか?

でも、あのおねえさんたちが知ってるわけもないし・・・

考え込んだ俺にサトシが思い出したように、言った。

 

 

「いいふうふの日、なんだって。

翔くん、ふうふ、ってなあに?」

 

「あぁ・・・11月22日だから!

夫婦っていうのは・・・結婚した二人のこと言うんだよ」

 

「結婚?」

 

「そう、お互いに好きだな、相手が大事だなって思って。

ずっと一緒にいよう。

嬉しいときには一緒に喜んで、苦しい悲しいときは一緒に乗り越えよう。

そんな約束すること」

 

「じゃあ・・・僕たちも・・・ふうふ?」

 

「そうだね。

おねえさんたちが俺たちの関係をそう考えてくれたんだね」

 

俺はたまにしかスーパーには行かない。

サトシの様子から、そう判断してくれたんだろうけど・・・

あの人たちに認められて、受け入れられている。

 

普段、俺がいない場所で、サトシがどう振る舞ってるのか。

このことだけで分かる。

 

俺はサトシに愛されてる。

俺がサトシを愛している。

 

お互いの気持ちが同じ重さ。

 

 

「ありがとう・・・サトシ。

サトシが作ってくれたご馳走、残さず食べなきゃね?」

 

 

 

☆★

 

今年はこの二人!

ずっとラブラブして欲しい二人です!(笑)