二人で大急ぎで風呂に入った後。
サトシはもう眠たそう。
ベッドに寄りかかってなんとか座ってはいるけど・・・
目は時々閉じてしまう。
「サトシ、先に寝てて。
俺はもうちょっとやりたいことあるから」
「・・・・翔くんと一緒に寝たいから待ってる」
サトシの口が尖る。
最近、仕事が忙しくって、帰宅が遅くなることが多い。
サトシは一人での食事がイヤなのか?
いつも食事は俺の帰宅を待ってから。
それから入浴するから、どうしても寝るのが遅くなる。
サトシのために、いいことではない、とは思ってる。
けど・・・先に食事をして先に寝ててと何回言っても聞かない。
一人の食事は寂しく、侘しい。
そんなことは分かってる。
サトシがうちに来てから、一人で食べることがなくなってから気が付いた。
それまでは何も感じてなかった。
一人で食事するのは当たり前のことで。
寂しさも侘びしさも当たり前のことになりすぎてた。
サトシにはそんな寂しさも侘びしさも感じて欲しくはない。
でも・・・・
ある意味、どうしようもないジレンマに陥った。
早く帰宅しようとすると、次の日に仕事を回すことになる。
うまく処理できなくなって、また残務が出る。
悪循環。
しょうがなく、仕事を家に持ち帰るようになった。
サトシと食事と風呂を済ませてから、パソコンで仕事を始める。
ワンルームだから、俺が仕事してると気になるんだろう。
サトシは先に寝ようとはしない。
リビングと寝室が別にできるように・・・・
そろそろ、引越を考えなきゃいけないか?
サトシはベッドに寄りかかったまま、眠ってしまった。
寝落ちたサトシをベッドに寝かせる。
おやすみ、と声をかけながら頭を撫でると、寝ぼけながらも笑顔になる。
額にキスをすると、薄く目が開く。
寝言なのか?
「しょうくん・・・もっと大好き・・・したい・・・の」
手を枕の下に入れて、そのまますーっと眠ってしまう。
「おやすみ、サトシ」