何事もなかったように、僕の周りで日々は過ぎていく。
毎日、目の前にやってくる仕事を一つ一つこなしていく。
グループの20年目を迎える年だから・・・
何かと仕事は多い。
表に出るのは、まだ先のことだけど。
みんなで集まって打ち合わせすることも多い。
その流れで翔くんの家に行くことも。
家に行くと・・・つい探してしまう。
誰か他の人間がここに来た形跡がないか?
バスルームとか・・寝室とか。
僕が見慣れない物が増えてないか?
僕も翔くんも使わないもの・・・がないか?
洗面台の鏡を開けてみる。
普段、こんなところ、開けたりしないのに。
ゴミ箱の中もさりげなく覗く。
冷蔵庫に見慣れない飲みものが増えてないか?
食器棚には?あたらしい食器は?
キッチンの棚の中には?翔くんが使いっこない調味料とか?
調理道具とか?
翔くんがお風呂に行った隙に家探しする。
そんな自分が嫌だ。
あんな記事を・・信じてるみたいで。
・・・翔くんを疑ってるみたいで。
僕はもう翔くんに必要とされなくなるのかな?
やっぱり・・・女の子の方が・・・?
考えることに疲れて。
ただ、翔くんに愛されれば・・・
そんなことも忘れていられる。
そう思ったのに。
翔くんの手が愛しあう意志を持って優しく僕に触れた時。
鳥肌が立った。
気持ち悪くて。
思わず、翔くんを突き飛ばした。
そのまま僕は翔くんのマンションを飛び出した。
☆★
付いて来られてますか?
Rain の続きです。