らんはお風呂を出てからも踊った。
ひとしきり踊ったあとに、今度は考え込んだ。


「ねぇ?ママ?
まさきパパのプレゼント、なにがいいとおもう?
なにあげたら、よろこぶかなぁ?」

一生懸命考えてる。


「らんは雅紀パパに何もらったら嬉しい?
何してもらったら、一番楽しいかな?」


今日は寝かせるときに、何読み聞かせしようかな?
って、絵本の棚で並んだ背表紙を眺めてた。
らんは僕のパジャマの袖をクイクイっと引っ張った。



「ママ、ひとりでねるの、さびしくない?
きょうは、らんがいっしょに、ねてあげようか?」

「ん?ママは大人だから、大丈夫。
らんが寂しいんじゃないの?」

らんは、ちょっともじもじした。


「うん・・・ママとおはなし、もっとしたいの。
ね?いっしょにねてちょうだい?」

「いいよ。
じゃあ、ママもトイレ行ってくるからママのベッドで待ってて。
らんがお気に入りのぬいるぐみ、一つだけなら持ってきていいよ」

パーッと花が咲いたような笑顔になった。
今夜は絵本の読み聞かせじゃなくて・・・・
相葉くんの誕生日プレゼントの相談かな?


らんが持ってきたのは、黄色いくまちゃんのぬいぐるみだった。
片腕にくまちゃんを抱っこしながら、僕の顎に頭を押し付けてくる。
ふわふわの髪がくすぐったい。



「らんね・・・まさきパパとね・・・・」

ベッドの中でのこそこそ話はパパたちには内緒の話をすることが多い。
話はいつも途中でらんの寝息に変わる。
今日も結論は出ないまま。

らんの髪の香りを大きく吸い込んで。
僕も眠った。