「智くん・・・40歳・・・だって?」


何?翔くんまで、僕のこと、からかうの?
どうせ・・オジサンですよ。
ニノにだって、オジサンって、呼ばれてるからね。

・・・そういえば、オジサンって魚がいたよな。



「智くん?
俺はね・・そんなこと、思ってないから・・ね?」


もしかしたら、軽く睨みつけるような目つきになってたのかも。
いじっていた、スマホに視線を戻す。
「オジサン」検索!
駿河湾・・ちょっと、行けないか・・



「ね?智くん・・・?
なんか・・・ご機嫌悪い?」


別に。
ソファーに寝そべって、明日の天気をスマホで調べる。
・・天気いいんだって。

あ~釣り、行きて~なぁ~
東京湾だと、今の時期、何が釣れるかなぁ~?
翔くんが、なんか言ってるのも、聞き流して、検索する。

メバル。スルメイカ。



「智くん?
俺、なんか、悪いことした?」


あ~いかそうめん。
食べて~な~。
明日、仕事前に行くかな。
釣り船、明日出るかな?
サイトにアクセスして。
とりあえず、予約。



「翔くん、僕、今日、早く寝るね。
先、シャワー浴びてくる」




すたすたと、バスルームに向かった僕の後ろから、翔くんの情けない声が聞こえた。




「さとしく~ん」