「翔くん?」
「翔く~ん?」
「しょおくん?」
「翔くんてば!?」


何回、呼んでも、こっち見ない。
ソファーで、膝抱えて、ちっちゃくなってる。



隣に座って、翔くんに寄っかかった。


「どうしたの?そんなに落ち込んで?」


顔をのぞき込んだら。
大きい目に涙浮かべてて・・
今にも零れ落ちそう。
「昨日の休み・・潤と二人で・・シュノーケリングなんて・・」



あ~それ?

でも・・・僕、翔くんのこと、ちゃんと誘ったよ?
海に行くけど、翔くんもどう?
って。


「だけど、翔くん、行かないって」

「潤と・・なんて・・言ってなかった・・釣りかと・・思ってたのに・・」

確かに・・言ってなかったけど・・
釣りに行くとも、言ってないよ。



「智く~ん」
あ。涙、とうとう、零れた。
勢いよく、抱きついてきて。

・・痛いってば!



「翔くん、大丈夫。落ち着いて・・・」

「潤のところに行かないで~~~」



軽く、頭をぽかっと叩いた。



「智くん・・やっぱり、俺のこと、捨てて・・・潤と・・・」
翔くん、ヒドイ!
そんなこと、言うなんて!

鼻水まで垂らして・・・
だから・・抱きつきすぎ!
痛いってば!



「翔くん。離して」

「さとしくん・・・やっぱり~」

「翔くん!落ち着いて!」


もう・・あんまり、ヒドイこと言うから・・・
今日は、大好き。って、言わない!