「翔くん?」
「翔く~ん?」
「しょおくん?」
「翔くんてば!?」


何回、呼んでも、こっち見ない。
ソファーで、膝抱えて、ちっちゃくなってる。



隣に座って、翔くんに寄っかかった。


「どうしたの?そんなに落ち込んで?そんなに、いびる演技の出来が不満だった?」


顔をのぞき込んだら。
大きい目に涙浮かべてて・・
今にも零れ落ちそう。
「違う・・・演技とはいえ・・智くんを・・・いびるなんて・・・智くんが・・・」



あ~それで・・・

終わった後、すごく・・落ち込んでたもんねぇ・・
僕も・・AD役だったから・・
その後、すぐにフォローできなかったし・・



「翔くん。大丈夫だよ。僕は、落ち込んでないから」

「智く~ん」
あ。涙、とうとう、零れた。
勢いよく、抱きついてきて。

・・痛いってば!



「翔くん、大丈夫。落ち着いて・・・」

「俺のこと・・キライにならないで~~~」



演技と現実を一緒にするなんて・・
・・・翔くん・・僕、そんなにバカじゃないから。

軽く、頭をぽかっと叩いた。



「智くん・・やっぱり、俺のこと、キライになったんでしょう~」
鼻水まで垂らして・・・
だから・・抱きつきすぎ!
痛いってば!



「翔くん。離して」

「さとしくん・・・やっぱり~」

「翔くん!大好きだから!落ち着いて!」




キャスターやってて、英語も話せるし、いろんなこといっぱい知ってるのに。
なんで、こんなことが、わからないんだろうね??