このお話は「pathétique」の続編です。









ピアノの前の椅子に座ったままの翔くんに、向かい合わせになるように、載った。


唇を何度も合わせ。
あの夜は、感じられなかった、翔くんの唇を味わう。



「あの時・・・ホントは・・嫌じゃなかった。だから・・逃げなかった。僕も翔くんと、同罪だよ」
今夜も、一緒に、罪を重ねよう。
今夜は、僕から・・・・
だから、翔くん。
僕に罪を分けて。


翔くんの首にしがみつく。
唇が離れないように。
もっと・・
翔くんを感じさせて・・・


「ん・・は・・ぁ・・・・翔・・」
僕の名前も呼んで・・


翔くんの腕が僕に回されて。
翔くんの上から降ろされる。


名前を呼ばれて、こないだは、行くことがなかった寝室に連れて行かれて・・・




僕から、ベッドに腰を下ろして。
翔くんを引き寄せた。


ベッド、という場所が・・
また、想いを 昂 ぶらせて・・・




「翔くん・・好きだよ。だから・・・僕を・・・っあ・・・」
全部は言えなかった。
翔くんが僕に・・・・


そして、こないだと同じように、僕の喉にキスをする。
ちょうど、喉仏のところ。
それ自体を口に含むように・・・して・・・
口の中で・・舐 られて・・・転がされて・・・


「しょう・・くん・・・・」
声を出すと、喉仏が翔くんの口から離れる。
それが、心許なくて・・・
でも、その想いが翔くんに伝わったのか、また、口に含まれる。

出すまい・・と、思っていても、つい、出てしまう声。
その度に、繰り返されて。







翔くんが、ゆっくり、やさしく、してくれたから。
今回は、痛みはなかった。




ただ・・

翔くんの熱情を感じて。
翔くんに熱情を感じてもらった。





END