このお話は「pathétique」の続編です。








翔くんに弾いてもらった曲。
覚えていたから・・・
たくさんのCDで。動画サイトで。
いろんなピアニストの演奏を聴いてみた。

でも・・翔くんのと違う。
翔くんの演奏はピアニストよりも、たどたどしいものだったけれど。
あの時、感じたことは・・・ピアニストの演奏では全然・・感じない。

僕があの時、受けとったのは・・・
きっと・・・


翔くんの・・・僕に対する・・熱情。
あの時・・
僕の心を揺らして。
戸惑わせて。
麻痺させたのは・・


翔くんの・・キモチ・・だったんだね?

ゴメン・・今まで・・気づかなくて・・




翔くんとのことは・・・


ホントはきっと・・そんなに嫌なことじゃ・・なかった。


ホントに拒否しようと思ったら、本気で逃げようと思ったら・・多分・・・逃げられた。
僕は・・ズルい。


嫌なフリして。
逃げるフリして。

そうして・・・翔くんにだけ・・罪を押し付けてる。

きっと・・翔くんは、僕にヒドイことしたって・・思ってる。
心で苦しんでる。
自分を責めて。




ホントは・・僕も・・・心のどこかで・・・望んでたこと。


だから、家に行った。
キスを避けなかった。
逃げ出さなかった。







だから・・・

翔くんを感じて。
翔くんの手の中で。

イ ッた。