髪に絡められた指を感じて・・・
目を開けた。
見えたのは・・切ない瞳をしたニノの顔。
ブラウンの瞳が感情をもって・・・揺らめいてる。

「ニノ・・・」
その瞳を見ていたいような・・見ていられないような・・そんな気がして・・
名前を呼んだ。

「起きてたんですよね?リーダー・・・」
オイラはじっと、ニノの瞳を覗いていた。
そこに映る気持ちを捉えたくて。
ニノの気持ちを逃したくなくて。

「そうしたら・・さっき、ワタシが言ったこと、聞いちゃいました?」
オイラから視線をはずして、ニノが尋ねる。

「今だけ・・・なの?」
オイラは質問を返す。
今なら・・言えそうな気がする。

「ニノ・・何度も聞いたよね?『どうしてほしいんですか?』って・・オイラの答え・・ちゃんと、聞いてた?」




ふいに、リーダーからの質問。
聞いてましたよ。
「『ニノが欲しい』って、言ってましたよね。お望み通り、差し上げましたけど・・」
苦笑まじりに答えた。

「違うよ。違くはないけど・・違う。オイラはニノの、が欲しいって言ったんじゃないんだよ」
どういう意味?

「ニノが欲しい、って、言ったの。わかってる?」
リーダーの目が本気だ。
こんな時、リーダーの目の中には炎が見えるような気がする。

「ニノが欲しい・・今だけじゃない。ニノのすべてが欲しい」
リーダーが言葉を重ねる。
めったに自分の意見を言わないリーダーなのに・・・
オレにわからせようと・・言葉を重ねてる。

「オイラのすべてがニノを欲しがってる。」
リーダーはオレにしがみつく。
「わかってよ・・・ニノが・・欲しいの・・」
感情が昂ったのか、リーダーの目から涙が零れてる。

それは・・智からのアイノコクハク・・なの??




オイラは思い切ってニノに想いをぶちまけた。
ちゃんと伝わらないかもしれない。
オイラ・・口下手だから。
他の人には、誤解されることなんて、気にしないけど・・
でも、わかって欲しい。
伝わらないもどかしさで、悔しくて・・涙が出てくる。
ニノに・・だけでいい・・オイラの気持ちをわかって欲しい。


「それは・・リーダーからの、アイノコクハクなんですか?」
ニノがマジメな顔して、オイラの目を見ながら、聞き返す。

オイラ・・照れくさくて、ちゃんと返事できなかった。
でも、わかって欲しいから、頷いた。

そしたら・・ニノが・・オイラに腕を回しながら・・
「ワタシの全ては、もう、アナタのモノになってたんですよ?知らなかったんですか?」
そう言うんだ。

オイラ・・ちょっと混乱した。
どういう意味?