ワタシとキスすると胸が苦しくなる・・
なんて、カワイイこというから・・・

「ワタシの唾液はアナタ専用の媚薬なんですよ」
からかうつもりで、そう返した。

オオノさん、「媚薬」がわからなかったんだね。
「びやく・・?」って聞き返した。

「惚れ薬です。アナタがワタシをもっと好きになるように・・」
半分、ジョウダン。でも・・・半分、ホンキ。

アナタの視線は、いつもどこ向いてるの?
何を見てるのか・・
誰を見てるのか・・
ワタシがアナタをみても、視線が合わない。

もっと、ワタシを見てほしい・・
アナタの想いはどこにあるの・・?


「オイラの唾液にもニノ専用のびやく・・入ってる?」
そんなヒドイこと聞くんですか?

「ワタシには、アナタの媚薬なんて・・必要ないですよ」
ワタシはこれ以上、アナタを好きになんて、なれない。
もう、この想いは行き着くところまで行ってしまってるから・・・

なのに・・アナタのその顔はなんで・・?

「だって・・・ワタシはアナタのこと・・・」
つぶやくように・・・
でも、それ以上は言えない。
口にすると・・・想いを縛る気がするから・・

この想いを込めて・・・また、媚薬をアナタに注ぐ。