まるで正月のような時 | フーテンの無職 〜無職の大将放浪記〜

フーテンの無職 〜無職の大将放浪記〜

日本社会のレールから外れて、気の向くまま風の向くままプラプラと、あてどもなく彷徨う。そんな刹那的な人生を邁進中。


人生、酒と旅と本があれば、それで良い・・・

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   今日でダサイン祭9日目。最初の数日こそ殆ど変化の見られなかったダサインだけど、7日目のフルパティ以降はいよいよ儀式色も濃くなり、通りでも確実にシャッターを下ろす店舗が増えてきた。昨日は開いていたお店も今日行くと閉まっている、という具合に、日を追う毎に市内が休息に入っていくのが分かる。


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   ダルバール広場のシヴァ・パールヴァティー寺院前では、神に捧げる生贄の儀式が執り行われていた。戦いの女神ドゥルガーに生贄の血を捧げ、残った肉は人々が食べる。生贄は主にヤギや水牛、ニワトリなどで、首を切り落として神に捧げるのだ。各家庭でそうして動物の血を神に捧げたあとは、肉をたっぷり使ったご馳走を作って、家族みんなで味わうのである。


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   広場の中央は、シヴァ神の化身であるカーラ・バイラヴ像に祈りを捧げる人々でごった返していた。軍隊が周囲をかなり警戒しているところを見ると、どうやら国のお偉いさんもお祈りに来ているようである。


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   そして、この日は年に一度だけ、ダルバール広場にあるタレジュ寺院が一般人に解放される特別な日でもある。

この寺院は、1549年にマッラ王朝のマヘンドラ王によって建立された。そしてマッラ王族の守護神である女神タレジュが祀られており、普段はその門はかたく閉ざされているのだ。クマリの儀式が執り行われるのも、このタレジュ寺院である。

そんな重要な寺院だけに、ここぞとばかりに参拝しようとする人々で、周囲は数百人は超える長蛇の列ができている。これだけの行列であれば、列の後半は果たして何時間待たされるのかと思うのだが、そこは信仰心の厚いネパール人。神様に祈りを捧げるためならば、何時間待たされようとも構わない。

果たして、日本人でそこまで神仏を想える人などいるのだろうか?  自分も含めて即物、成金、物質主義的な宗教心ゼロの日本人。恐らく、そんな人など殆どいないだろう。本来ならばホトケに仕える身の住職ですら、108の煩悩の忠実な僕として派手に着飾ってはサングラスをかけ、高級車を乗り回しているのだから。


是非とも、そんな生臭坊主たちに見習ってもらいたい光景である。


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   街中では、時折こうした小規模パレードをあちこちで見かけた。どうやら、こうして日がな一日、音楽を流しながら市内(地区内?)を歩き回っているようである。これもネパールの祭の際によく見かける光景だ。


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   通り道の上には、凧が飾られている。ダサインが始まって以来、空には無数の凧があちこちで舞うようになった。ふと空を見上げると、十数枚もの凧が揚がっていたこともある。どうやら凧揚げはダサインでの習慣として、しっかりと根付いているようである。


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   玄関の前の路上には、こうしたお供え物も無数に見られる。これもヒンドゥー教にみられる習慣のひとつだ。


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   そして、車やバイクにもこうして飾り付けして祈りを捧げる。この日は商売道具、機械類などを清めるための儀式をして、それらを一日休める習慣があるようだ。今日は市内のあちこちで車やバイクを洗車する光景が見られ、この日ばかりは普段は砂埃塗れのクルマたちも、きれいに清められて艶やかな光沢を放っていた。


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   おっと、チビッ子たちを発見。


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   子供たちは、いつだって元気いっぱいである。今日は道路に車やバイクが少ないので、広々とした路上でのびのびと遊びまわることも可能なのだ。


子供があちこちで走り回っては、凧揚げを楽しんでいる。川沿いの土手では、竹を組み上げて作った巨大なブランコがあり、大人と子供がブランコに乗ってはしゃぐ賑やかな声が響いている。路地裏をあちこち歩いてみると、そこには玄関先で家族揃って腰を掛けては、のんびりと談笑している光景が見られる。どこも実にゆったりとした、心地のいい時間が流れているように感じた。


ネパールで最大の祭であるダサイン。どことなく古き良き日本の正月を思わせる、なんとも心穏やかなお祭りである。

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