働く女 (集英社文庫)/群 ようこ
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「群さんのエッセイは、ぜぇーったい面白いよ!」

と、友人からも母からもすすめられていましたが、なかなか読む機会がなく、今回初めて読みました。

 

こちらはエッセイではなく、ショートショート。

様々な職に就く女性たちを描いたお話が10篇です。


 

イマイチ押しの足りない百貨店の外商部員

 

赤ちゃん連れでコンビにのレジを打つシングルマザー

 

自分の立ち位置を理解できない高飛車な女優

 

仕事に対して手抜きできないエステティシャン

 

シロガネーゼに憧れる若い専業主婦

 

両親の経営するラブホテルで働く子持ちのバツイチ

 

などなど・・・・・・


 

どれもこれも現実的で見も蓋もないという感じもしますが。

辛口でちょっと皮肉まじり。

作風から群さんのキャラクターが透けて見えます。


 

特に印象的なのは、真面目で優秀なエステティシャン、タマエの話。

 

優秀なのだから、どこかの高級エステに引き抜かれ、果ては自分の店を持って成功する!(ノ´▽`)ノ

なんていう夢のある話かと思いきや・・・・・・

 

高級エステに引き抜かれるところまでは同じでも、

お客の指名争いで同僚にいじめられ、

指名が多いので休みもろくにとれず、

手の抜き方もわからないから、お客にはつねに100%

そのうち自分の体は壊れていく・・・・・・・・

 

このお話のタイトルが「けっきょくマジメは損をする?」

何とも皮肉なお話です。

 

でも、この主人公、タマエの気持ち、よくわかるな~

半分、自分を見ているようで心が痛くなりました。


 

物語の中の様々な女性たちに共感したり、反発したり、納得したり、嫉妬したり・・・・・

気軽に読めて楽しめる、そんなショートショートでした。

 

次は群さんの代表作、無印シリーズを読んでみます!