先日12月14日(木)に国立ノートランクスで開催したイベント報告です。
ボリュームがありますので、前編・後編と2回に分けてお届けします。
国立(くにたち)昭和大衆音楽同好会 VOL.4
テーマ:「ロック×ジャズ×ラテン×ファンク…ジャンルぶち抜く60~70年代音楽」
~後藤敏章の選曲・コメント~
●カーティス・メイフィールド
①Gypsy Woman (1971年) ②(Don't Worry) If There's a Hell Below We're All Going to Go (1971年)
インプレッションズを脱退しソロ・アーティストとして独立後、カーティス・メイフィールドは立て続けに充実作を発表する。ここではソロ2作目アルバムの「ライヴ!」から2曲(①②)。インプレッションズ時代の代表曲①は71年版ファンク・ヴァージョンとしてアップデート。②”マスター”ヘンリー・ギブソンのパーカッションの爆発は、同時代のサルサと共鳴する。2曲とも、バンドの怒涛のリズムとカーティスの静かに燃える歌とギターに耳が持っていかれる。
●エディ・パルミエリ
④Vámonos Pal Monte(1971年) ⑤Cosas Del Alma(1973年) ⑥La Libertad Logica(1971年)
アメリカ黒人音楽のソウルやジャズやファンクと融合したユニット”ハーレム・リヴァー・ドライブ”のみならず、70年代前半のエディ・パルミエリは様々なアプローチでラテン音楽を進化させようとしていた。④でのフリー・ジャズ然とした狂ったようなエレピ・ソロに煽られる。一方⑤のボレーロは、サックスのソロもギターもしっとりとして、いい感じの歌ものジャズとしてアレンジされている。また、71年のサルサの勢いがリアルに感じられる⑥が収録されたライヴ盤「アット・ザ・ユニヴァーシティ・オブ・プエルト・リコ」では、「マイルスのビッチェズ・ブリューまんまじゃないか!」という曲もあり、聴き込めば聴き込むほどパルミエリの音楽には発見がある。いずれ特集やりたいです。
●スライ&ザ・ファミリー・ストーン
⑦Life (1968年)⑧Dynamite!(1968年)⑨Don't Call Me Nigger, Whitey (1969年)
⑩Everyday People(1969年)⑪Family Affair(1971年) ⑫Spaced Cowboy(1971年)
⑬Runnin' Away(1971年)
この時代のロックとソウルとポップスが合体したアルバム「ライフ」(⑦⑧)も決して悪くないが、「スタンド!」(⑨⑩)と「暴動」(⑪~⑬)の2大アルバムが突出している。⑨での何じゃこれは?の音の歪みは、戦前デューク・エリントン楽団のジャングル・サウンド、あるいはマディ・ウォーターズ・バンドのリトル・ウォルターのエレクトリック・ハープなどを想起させる。つまり、アメリカ黒人音楽の伝統と言っていい歪んだサウンドの1969年版。そしてスライが凄いのはポップな音楽をつくるセンスがずば抜けているところ。陽性のメロディーとハーモニー⑩は何度聴いても気持ちが高揚する。⑨の歪み路線、⑩のポップ路線、そしてそこに71年先端の音楽である「ファンク」が絶妙に融合した作品が 「暴動」。マイルス・デイビスも参加しているのでは?などの様々な謎と伝説を残すアルバムだが、基本はスライがスタジオにこもり、オーヴァー・ダビングで一人で作った。なぜかヨーデルが登場する⑫など、今聴いてもかなりぶっ飛ぶ。

