画像は2007年発売されたJAZZ ICONというシリーズのDVD、コルトレーンの回。ジョン・コルトレーン(ts,ss)、マッコイ・タイナー(p)、ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)の黄金カルテットの、1965年8月ベルギーでのライヴ映像が後半に収録されている。曲目は"Vigil"、"Naima"、そして"My Favorite Things"。
10年前。当時働いていたユニオン御茶ノ水ジャズ館で、入荷したこのDVDの65年映像を店内で大音量で流したところ、平置きにしていた商品がどんどん売れた。手に取るのは老若男女問わず。こういう生真面目で熱(苦し)いジャズってのはそんなに売れるご時世ではないと思っていたが、実際に彼らの演奏に特に映像で触れれば全然そんなことはないんだ、コルトレーンやっぱすごいんだなと感動したものだった。
10年経って、この65年映像を久しぶりにフルで観る。3曲40分。うち20分を占める"My Favorite~"はコルトレーンのソプラノも叫んでいなくあっさりしていて、へえマッコイは端整なピアノ弾くんだなーなんて感想が出てくるぐらいの、期待に反し燃え尽きる感じが意外に薄い演奏。
しかし、コルトレーンがテナーの"Vigil"、"Naima"は激しい。特に"Vigil"はものすごい。前半はコルトレーンとエルヴィンの二人のみの演奏。エルヴィンが煽り、コルトレーンは出せる限界まで出し尽くそうと高速で音をさく裂しまくる。中盤から入るマッコイのピアノ、左手の打音の強さにも盛り上がる。終盤コルトレーンが再び加わったときの4人が生み出す音とその姿が圧倒的で、高揚感と共に気持ちが楽しくなってくる。それは例えば、ジェームズ・ブラウンやファニア・オール・スターズのライヴを映像で観たときに盛り上がるのと同じ感覚。自分の中でコルトレーンはジャズ云々あまり関係ないで聴く存在になっているんだなと本日、認識した。
ということで、コルトレーン黄金カルテットは映像でおすすめします。このDVDはアマゾンでも今も普通に手に入るのでぜひ。(後藤敏章)
