さくさく読書日記-壬生義士伝

会社の仲良しのおじさまと浅田次郎の話で盛り上がり、
盛り上がりついでにこちらの原作を貸してもらいました。
・・・が、時代劇音痴の私。読み始めてはみたものの、
情景がまったく思い浮かばず・・・。
先に映画を見たほうがいいと判断し、GW中に借りてみました。


幕末の京都。

壬生で産声をあげた新撰組は、表向きは得意絶頂だったが、

内部では崩壊が始まっていた。

倒幕勢力が日に日に力を増し、新撰組も各々の思惑に揺れていて、

脱退する者も出始めていた。

局長の近藤勇も一目置く、齋藤一はそんな状況を皮肉な目で眺めていた。

ある日、盛岡の南部藩出身の吉村貫一郎という、

ひときわ腕の立つ男が入隊する。

純朴な外見に似合わず、その腕前は何人も人を斬ってきたものだった。

大儀のためには己の命をも顧みない隊士たちの中にあって、

恥ずかしげもなく命に固執し、さらには何かにつけてお金に執着する貫一郎の姿は、

異彩を放っていた・・・。



浅田次郎作品ファンなのに、この原作は時代劇、しかもニガテな幕末モノということで、

なかなか手にしなかったのですが、オススメしてくれたおじさまに感謝です。

DVDも気になりつつ、手が出なかったので、どちらも見る機会を与えてもらい、

よかったです。

映画の主人公は中井貴一さん。そして、ライバル役に佐藤浩市さん。

もう、この二人だけでも豪華なのに、脇を固めるのは、堺正人さん、

中谷美紀さん、さらには夏川結衣さんと、とても豪華なキャスト。

中井さん演じる貫一郎が、とてもいいんです。

地元・南部藩では藩校の先生を勤め、教養もあり、剣もめっぽう強く、

周りから尊敬されてた武士だったのですが、
他藩なら出世を極めるはずの人であろうに、貧しい藩ゆえ、

家族を食べさせられないほど困窮しており、
とうとう貧しさに耐えられず、脱藩して新撰組に入隊します。
故郷を誰よりも愛し、そして家族を愛し、それゆえに脱藩しなくてはならないなんて、

まさに断腸の思いだったに違いありません。
そんな背景があるゆえに命を惜しみ、お金に執着する・・・

仲間からは守銭奴と陰口を叩かれてしまう・・・。
普通にイメージする武士とはちょっと事情が違います。
対する佐藤さんは、「いつ死んでもいい」的な、

けっこう投げやりなお侍さんを演じてます。
いつも冷静なんだけど、その奥にある優しさに、

中井さん演じる貫一郎は気付きます。


貫一郎がいちばん口にするセリフが「おもさげながんす」。

「御申し訳のないことでございます」という意味だそう。

罪人の首をはねるときもこのセリフを口にします。

食べるために人を斬る、自分が生きるために人を斬る、妻子に届ける金のために

人を斬る・・・そのたびに「おもさげながんす」が出ます。

この言葉、すごく耳に残ってしまった・・・事情を知らないのであれば、

「お金に固執してイヤな感じ」と思ってしまうのですが、
強い望郷の念と家族への思いが、ところどころに描かれているので、

「おもさげながんす」という口癖がまた切なくなり、聞くたびにウルッとしてしまいます。


DVDを見たあとはもう、涙ダラダラです。

物語の背景もじゅうぶんわかったし、早速原作読んでみます。