こちら、W先輩にお借りしました。
西加奈子さんの本は、独特の世界観と、
大阪弁があいまって、とても好きです。
そして、この本は表紙のいくえみ綾さんの絵もツボです。
(青春時代を思い出す・・・。)
1991年。辰巳緑は中学二年生。
大阪の下町で、夫(おじいちゃん)が”しゅっぽんして失踪中”のおばあちゃん、
いつもうだうだとタバコを吸い続けるお母さん、いとこで出戻りで子持ちの藍ちゃん、
藍ちゃんの娘で4歳なのにまだおっぱいを吸いに来る、声を発しない桃ちゃん、
さらに、メス猫の”カミさん”と”ホトケさん”、メス犬の”ポックリさん”と住んでいる。
典型的な女系家族で、不思議な力を持つおばあちゃん目当てにいつもお客さんが
来ている、にぎやかな家庭で育つ。
女ばかりの家族と、その家族に縁のある女性、それぞれの女が抱える過去の生き様、
さらに緑の目を通して日常の生活についてネイティブな大阪弁で綴られる・・・。
あらすじ難しいなぁ。
全体的に面白かったというか、惹きつけられたというか。
一気に読んでしまいました。
大阪の下町に住む、中二女子の視線で綴られる日常。
これが、どっぷり大阪弁なのがとてもいいんです。
中二女子にしては、家庭環境のせいか、妙に冷めている緑。
でも、そうはいってもやっぱり思春期。
転校生のコジマケンを好きになっているのも気付かない、でも、
コジマケンのことになるとなにやら胸がざわざわしてしまう・・・なんて表現も、
瑞々しくていいなーなんて思ったり。
でも、緑の視線に入らない部分で、重いものを背負った女たちの独白部分は、
どーんとなって読んでしまいました。
女達の過去や苦しい気持ち・・・。
一風変わった緑の家族の日常などと、その独白が交互に書かれていて、
ほわっとなったりはたまたどーんとなったりで、飽きない構成になってます。
アントニオ猪木の引退の言葉「道」にインスピレーションを受けたそうで、
随所にアントニオ猪木が出てきます。
結末はなんだか曖昧ですが、読後感は悪くありません。
ほぼ同時期に刊行された「こうふく あかの」も読んでみたいです。
大阪弁ってええなぁーって、思わず自分にも大阪弁が移ってしまうような、
大阪弁が際立つお話でした。
恐らく、標準語だったら違った感想になってたかも・・・。
