今日は66回目の終戦記念日です。
この時期は、戦後の豊かな時代に育った私も、戦争のことについて
考えずにはいられません。
以前からなんとなく、この時期は戦争についての本を読むようにしています。
今回は、三浦綾子さんの「銃口」を選びました。
この本、以前読んだことがありますが、なぜかあまり内容を覚えておらず・・・。
今回、文庫本購入して再度チャレンジです。
昭和元年、北森竜太は北海道旭川の小学校4年生。
祖父の代から質屋を営む実家で、父、母、姉、弟と5人で暮らしていた。
父親が病気のため納豆売りをしている転校生の中原芳子に対する、担任坂部先生の
温かい言葉に心打たれた竜太は、教師になることを決意する。
昭和12年、竜太は望んで炭鉱の町の小学校へ赴任する。
生徒を慈しみ、坂部先生のような教師を目指して邁進するも、次第に時代の波に呑まれていく・・・。
上下巻の長いお話。
主人公の北森竜太の戦争に翻弄された運命と、戦争の愚かさや恐ろしさを描いています。
この竜太という人物が天然記念物級のいい人!!
いくつになっても純粋な気持ちを持ち続けていて、読んでいてはがゆくなることもしばしば。
三浦さんの本は、キリスト教が根底にあるからか、なんか、人物を理想的に描きすぎてる感は否めません。
出てくる人がみんないい人ばかりで、なんか、ちょっとリアルに受け止められない部分もあり。
でも、戦時中の無茶苦茶な法律(治安維持法とか)についてはかなりの恐怖を覚えました。
言論の自由が規制されていたという背景のもとに創り出された人格や思想など、
とてもわかりやすく描かれていてこんな世の中が70年ほど前は現実にあったんだってことに、
改めてびっくりしちゃいました。
そういう世の中だというのは知ってはいたんですが、いろんなエピソードをまじえて書かれたこの小説で、
具体的なことを知ることができました。
上巻は、竜太の子供時代から、夢叶って教師になったところに暗雲がたちこめるというところで終わります。
どちらかというと、波乱に満ちた下巻の方が読み応えはあります。
でも、長すぎていちいち心に残ったことを記していると大変なことになってしまうので、
ひとつだけ、竜太の尊敬してやまない坂部先生が竜太に言ったセリフを。
「どうしたらよいか迷ったときは、自分の損になるほうを選ぶといい」
・・・深いなー。
確かにそれが正しいのだろうけど、やっぱり、人はこういう状況になったら、
まず自分のことを考えてしまいがちだよなー・・・私もそうだなーなんて思って。
でも、この言葉、かなりグサリと心に刺さりました。
出来る限り、そういう人でありたいものです。
なんとなくですが、下巻の最後は無理矢理終わらせた感が否めない終わり方になってます。
いいお話だったんですが、なーんか、後味が曖昧な本でした。
去年読んだ「終わらざる夏」のインパクトが強かったからかなー・・・。
でもでも、平和な世の中に生きる私たちはつくづく幸せなんだなって思ったのでありました。
