さくさく読書日記-シングルマン


アカデミー賞で、見事主演男優賞を獲得した、コリン・ファース主演の映画。
なんといっても、あのトム・フォード初監督作ってのが話題でしたよね。
劇場で見逃してしまったので、DVD鑑賞となりました。


キューバ危機が囁かれていた頃のロサンゼルスが舞台。
イギリス人の大学教授ジョージは8ケ月前に恋人だったジムを事故で失う。
同性愛に偏見が強かった時代。
ジョージは、ジムの家族から葬儀に出ることすら拒否される。
そして、空虚な時間を過ごし、とうとう、後を追って自殺することを企てる。
死のうと決めたその日、ジョージは、大学のデスクを片付け、銃弾を購入し、
家政婦へ手紙を書き、さらに、「ネクタイはウィンザーノットで」と書かれた遺書をしたため、
死の準備を着々と進める・・・。


この映画、すっごくよかったです!!
トム・フォードってすごい!!!天は二物を与えるんですねー。
ゲイの恋人を失ったジョージ。
1960年代のアメリカでは、まだまだ同性愛者に対する偏見が強く、
カミングアウトなんてありえない時代。
大学教授という、社会的な地位を得ている主人公ジョージは、
最愛の恋人を失っても、その悲しみを人に話すことはできず、
鬱々とした空虚な日々を過ごします。
そして、とうとう自殺をしようと決意するのですが、
実行しようとした1日をこの映画は描いています。
映像の美しさもすばらしいし、60年代特有の建築物や、
ファッションや車など、とても洗練されていてステキです。
特に、ジョージが住んでいたガラスと木の家は、フランク・ロイド・ライトの弟子だった、
ジョン・ロートナーが建てた実在する家だそうで・・・。
とてもステキな家でした。


あと、ジュリアン・ムーア演じるジョージの元恋人・シャーロットの時代を反映した
インテリアやファッション&ヘアメイクもとてもステキでした。
見ているだけで目の保養になる映画です。
そして、物語も面白い!!
全体的に静かなイメージの映画ですが、ジョージの悲しみの深さや、
空虚さはコリン・ファースの演技が光ってます。
そして、遺書に「ネクタイはウインザーノットで」と書いてしまう、ジョージの
イギリス紳士的な一文にも「さすがトム・フォード」って思ってしまいました。

「自殺しようと決めた1日」を描いているというと、どうしても重くて暗いイメージが
ついてまわりそうですが、そんなことは全然なく、むしろ後味はとてもよいです。
こういう映画好きだなー。もうちょっと時間が経ってからまた見たい映画です。
今度はもっとセットや衣装に注目して見てみたいです。


コリン・ファースって、「ブリジット・ジョーンズの日記」のイメージが強いので、
ラブコメ俳優さんかと思ってましたが、全然そんなことないですね。
アカデミー賞受賞のスピーチもステキでした