さくさく読書日記-光

三浦しをんさんの超ダークな作品。
あまりにもダーク過ぎて、読んだあと、ちょっと疲れてしまいました。

東京都ではあるものの、竹芝桟橋から船で一晩もかかる場所にある、
全島民わずか270余名の、小さく、でも、雄大な自然が残る美しい美浜島。
この島で生まれ育ち、島をどこよりも美しいと誇りに思っている信之は、
幼馴染で、たった一人のクラスメイトである美しい美花と過ごす特別な夜だけを待ちわびる、
早熟な中学生。
ある夜、美花からの呼び出しを受け、信之は家を抜け出す。
近所に住む、信之を兄のように慕い、いつもあとをついて回る輔と偶然出会ってしまい、
仕方なく輔とともに待ち合わせ場所の神社に向かい、美花と落ち合ったが、
そのとき、彼方の海の異変に気付く。
突然の大津波。逃げるのが精一杯の3人。
高台から見る島は、津波が去った瞬間壊滅していた。
生き残った3人は、山の中で不安な一夜を過ごす。
翌朝、死体と瓦礫だらけの町に降り、途方に暮れる3人。
だが、彼らのほかに3人の大人が生き残っていたことがわかる。
そんなときに事件は起きた・・・。

いやぁ、本当に、救いのないお話でした。
あらすじはざっとしか書けません。どうまとめたらいいのかわからない・・・。
冒頭は、美浜島の美しい様子や、日常、さらには津波がきて、その後起こる事件まで一気に
描かれています。
そして、第二章は20年後。信之の妻の南海子の視点で語られるお話となっています。
章ごとに信之の視点、輔の視点・・・と変わり、それぞれの思惑が明らかにされていきます。
桜庭一樹さんの「私の男」と、東野圭吾さんの「白夜行」&「幻夜」を彷彿とさせるお話。
読んだあとはあまりの救いのなさにどーーーんとしてしまうのですが、
それがなんだかクセになってしまう・・・三浦しをんさん、さすがの筆力です。
でも、「まほろ駅前多田便利軒」や、「桃色トワイライト」と同じ作家さんの作品とは
とても思えない・・・。

テーマは「暴力」といったところでしょうか。
「暴力で傷つけられたものは暴力でしか恢復しない」という、作中の一文と、
帯の「暴力はやってくるのではない、帰ってくるのだ」という一文が印象的です。
登場人物の誰にも共感できなかった・・・。
みんなそれぞれ暗くて重いものを抱えすぎていて。
その中でも特に不気味だったのが、島の津波や事件とは直接関係のないはずの、
南海子。したたかなのか、なんなのか・・・。
どうしてこんなに重くて暗いお話が「光」というタイトルだったのか・・・と思わずにはいられませんでした。

延々と続く、暴力の連鎖、そして、登場人物たちの闇・・・それぞれの背景を思わず
いろいろと考えながら、でもまったく理解できない・・・なのに、ものすごく引き込まれる、
なんだか、1冊の本に振り回される感じでした。
三浦しをんさん、すごい作家さんです。
あと何冊か既に読了しているので、また感想をUPします。