浅田次郎さんの最新作。
「蒼穹の昴」から続く中国のシリーズの最新作。
遠い昔、歴史の授業でちらっと出てきた「張作霖」とか、
「奉天事件」とか、なんのこっちゃ?的な事柄が、すごくよく理解できました。
昭和初期、満州鉄道での爆破事件で殺害された張作霖。
昭和天皇は、彼の死因に疑問を抱き、陸軍の青年将校に、
現地での調査を極秘に勅命する。
私、本当に歴史疎くって、張作霖と袁世凱ってどっちがどっちか、
そして、何をした人なのかさっぱりわからなかったのですが、
この本、とっても勉強になりました。
歴史的背景がイマイチわからなかったけど、面白く読めました。
「蒼穹の昴」もそうだったけど、浅田次郎さんのこのテの本、
歴史的背景があやふやでも、読みやすいし、学べるし、すばらしい!!
関東軍の謀略で殺害されたとされてる張作霖。
彼は当時、中国で最も有力な軍閥指導者の一人として君臨していました。
ライバルは蒋介石。
張作霖は、日本の庇護を受け、関東軍の支援のもと、満州における実効支配を
確立していたそうです。
そんな張作霖、国民党との争いで、蒋介石に敗れてしまったため、
一度、北京から本拠地の奉天に脱出する際に、この事件に巻き込まれます。
物語は、天皇から勅命を受けて事件の調査に当たる青年将校と、
張作霖を乗せた英国製の蒸気機関車の回想録が交互につづられています。
蒸気機関車の語り口は、斬新。でも、人間ではなく、蒸気機関車が語ることによって、
人間同士の血なまぐさい事件が、抗いきれない「運命」として、
ちょっと神秘的な感じにまとめられています。
この蒸気機関車、その昔は、かの西太后の御料列車として使われていたものだそうで、
その豪華絢爛な内装の描写も詳しく描かれています。
最後に、「蒼穹の昴」の主人公、春児が登場します。
「蒼穹の昴」ファンにとってはその後の春児の様子が知れて、
うれしいかぎり。
清朝が滅び、混迷をきたす中国の様子を、静かな視点で見つめている
春児の様子がちょっと切なくもありました。
・・・この本を読む前に「中原の虹」を読まねばだったんですが、
貸本屋さんにこれがあったので飛びついてしまいました。
「中原の虹」は、張作霖を描いたものらしいです。
早速読まなきゃ。読んでから、この本をもう一度再読したら、
また違った感想が持てるかもしれません・・・。
浅田次郎さんの本には最近やられっぱなしです。
面白かったです!!!
