さくさく読書日記-15歳の志願兵

偶然見てしまったドラマですが、ちょっとじーんとくるものがあったので、
記しておきます。先日読んだ、「永遠の0」につながるものもあったので、
何気なく見たドラマだったのに、引き込まれてしまいました。


昭和18年。
海軍は航空兵不足解消のため、全国の中学校に甲飛予科練習生の
志願者数を強制的に割り当てた。
愛知一中にも47名が割り当てられた。
名門を自負する生徒達は戦争に対して冷ややかなスタンスを取っており、
主人公の3年生・藤山正美もその一人だった。
正美にとっては、端艇部(ボート部)の親友・笠井光男と文学や将来について
語り合う時間が何よりも大切で楽しいものだった。
志願者の少なさに焦った軍部は、校長を通じて「時局講演会」を開き、
生徒への指導強化を命じる。
7月5日、700人の生徒が集まった柔道場では、軍人達が悲痛な戦争体験を話し、
教師は名門一中の生徒として進んで戦場に行くべきだと語る。
熱狂の中、お国のために役に立ちたいと使命感に目覚めた純真な生徒達は、
次々と志願を誓う。冷静に聞いていた正美までもその空気に飲み込まれ、
「戦争に行く」ことを宣言した・・・。


これ、実際にあった話なんですって。
つくづく、この時代ってすごい時代だったんですね・・・。
15歳の少年達にも志願兵を半ば強制するなんて!!
そして、まだあどけなさが残る彼らの心の純粋なことと言ったら!!!
そんな子供たちに、学校は、「時局講演会」を開いて、
一中卒業生の配属将校に「御国のために命を捧げよ。全ての個人的な希望は捨てよ」と
煽り立てられる中で、「人間は何のために生まれてきたのか」という人としての生き方を
根源的に探ろうとしていた、主人公・正美の親友の文学者志望の少年までも戦地へと志願するように
追い詰めます。
なんか、暑くて息苦しい講堂で、しかも、ご時勢的に「愛国心」を求められ、
「命を捧げよ」なんて力説されたら、純粋な少年達は洗脳されてしまいますよね・・・。
そして、そのとき、全校生徒700人が全員、志願をすると決めます。
新聞は、それを大々的に報道し、全国の少年達の士気を煽ります。
これ、全部海軍の策略。航空兵不足のために、中学生を戦場に送って、
それを補おうと、全国の学校に圧力をかけてたんです。
教師達は悩みます。
「御国に役立つ方法は、飛行機の弾になることではなく、もっとほかにあるはずだ。
優秀な生徒達を失いたくない。彼らは、飛行機に乗る人間ではなく、作る人間だ」という、
歴史教師の悲痛な発言は、涙を誘いました。ともすれば、「非国民」といわれる発言を、
生徒を思うがこそ口に出してしまう・・・。


それ以外にも、胸を打つセリフの連続でしたが、特に印象深いのは、最後の正美の
「僕たちは学校で”御国のために命は捨てよ”と教えられたんです。
学問がなかったのはこの国だったんです。」というもの。
前後のシーンがクライマックスでとても泣けるシーンなのもありますが、
学問よりも、命を捧げろ・・・と、さんざん教えられてきた生徒達を代弁しているような・・・。


NHKのこういうドラマは本当にすばらしいですね。

静かに、かつ、鋭い視点で太平洋戦争を描き、でも、あとに残るのは、
じーんとした感動と、平和な世の中がいかに大切かというのを考えさせられる、
とてもいいドラマでした。