さくさく読書日記-息もできない

以前、従姉からオススメされて、ずっと見たかった映画。

偶然、会社のA先輩もこの映画が気になってたそうで、

今朝、この映画の話をしていて、その流れで上映している映画館を調べたら、

なんと渋谷で、しかも火曜日は1000円で上映してるということで、

勢いで見に行ってきました。まさに、これって運命だと思います。

それくらい衝撃を受けた映画でした。


友人が経営する取立屋で働くサンフン。

彼は、幼い頃、夫婦喧嘩のはずみで父が母と妹を死なせてしまうという、

悲しい過去を持つ。

父への恨みを背負って成長したサンフンは、暴力でしか人とのコミュニケーションがとれず、

取立ての仕事でも、容赦ない暴力っぷりを発揮。時には、仲間にも暴力をふるい、

恐れられていた。

そんなある日、サンフンは、女子高生のユニと出会う。

サンフンの暴力的な態度にもひるむことなく、言いたいことを言うユニに、

どこかに惹かれるものを感じるサンフン。

ユニもまた、家族の問題を抱えていた・・・。


・・・またしても韓国映画にやられてしまいました。

この映画、すごくよかった。

幼い頃の事件を引きずって、父親を恨み続けてきたサンフン。

すさんだ気持ちで生きてきた彼は、暴力でその胸のうちを晴らすかのような毎日。

冒頭から、その暴力シーンで、最初は思わず「失敗したかも」って思ってしまいました。

人を殴る音がリアルで、実際に私は殴られたこともないし、殴ったこともない、

そして、人が殴られてるところも生で見たことないから、実際の音って聞いたことないんだけど、

その音を聞いて、「痛い」って思ってしまうほどのリアルさ。

でも、話が進むうちに、その暴力が実は彼の切ない心を現してるんだと思い、

そうなると、暴力シーンも苦ではなくなってきます。

そして、女子高生ユニと出会い、交流を深め、ソンフンの内なる優しさがだんだん

出てくるところはちょっと心が温まる感じ。

甥っ子への愛情も不器用ながらとてもにじみ出ていて・・・。

そして、衝撃のラスト・・・。もう、涙が、こらえようとしてもあふれてきちゃいました。

それぞれの俳優さんがみんなとても演技がうまくて、特に、ソンフンの運命を左右することになる、

ユニの弟役の俳優さん、うまかったなー。

ぶっちゃけた話をしてしまうと、前日のW杯日本戦を見て、若干寝不足だったので、

中盤でちょっと気を失ってしまいましたが、そんなこともなかったかのように、

終盤は惹きつけられまくってしまいます。

はぁぁ・・・まだ余韻にどっぷり浸っていて、ボーっとなってしまう感じ。

本当に、今朝、A先輩とこの映画の話をしなければ見に行っていなかったと思うし、

まさに、これは運命だったんだと思います。

見に行ってよかった!!


家に帰って来て、公式HPを見たところ、いまさらなんだけど、

主人公のサンフンを演じた俳優さん(ヤン・イクチュン)、

監督さんでもあったんですね。

この映画が監督デビュー作で、制作費が途中で足りなくなって、

家族や友人から援助を受けたり、自分の家を売ってお金を作って、

やっと出来上がった映画だそうで・・・。

そんな苦労がまさに実を結んだ、すばらしい映画でした。


愛情でなく、暴力を受けて育った子は、暴力でしか自分の感情を表現できなくなってしまう・・・。

そんな切ない背景がとてもわかる映画でした。

ラストは人それぞれなんでしょうが、決してハッピーではない、でも、ちょっぴり明るい

光が見えたかも???的な感じなので、暴力だらけの映画にもかかわらず後味は悪くはないです。

なんていうんだろう・・・ボキャブラリーが乏しい私は、うまく表現できないけど・・・、

「魂を揺さぶられるような」映画だったと思います。

いやいや、韓国映画、やっぱり奥が深い・・・。

ちょっとハマってしまいそうな勢いです。