W先輩にお借りしました。
これ、本屋さんで平積みになってるのを気にしつつも、
なんかタイトルから妄想する内容が重くて手が出なかったんですよね・・・。
でも、面白いという話を聞いたのと、映画化するということで、
早速読んでみました。
福岡県と佐賀県の県境にある三瀬峠で、保険外交員の石橋佳乃が、
携帯サイトで知り合った土木作業員に絞殺された。
一方、佐賀市内に双子の妹と住む、馬込光代もまた、何も変化のない生活から
抜け出そうと、携帯サイトにアクセスする。
そこで、運命の相手と思える男と出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた・・・。
いやぁ、一気に読んでしまった感じ。
正直、ここまで面白いとはまったく期待してなかったので、物語に引き込まれてしまって、
ついつい時間が経つのを忘れて読みふけってしまいました。
ひとつの小さな殺人事件をめぐってそれに関わる人々を、
ものすごく丁寧に、いろんな視線から描いています。
登場人物が多くて、誰と誰がどう関わっているのか、その背景はどうなのか・・・と、
自然と一人一人に感情移入しちゃうような描き方。
吉田修一さん、すごいです。久しぶりにこういういろんな角度から描かれた
小説読みました。宮部みゆきさんの「理由」がそんな感じかな。
「理由」よりも、私的にはズシンときた本です。
タイトルの「悪人」とは、本当は誰なのか・・・というのを考えながら読んでいたので、
本当に登場する一人一人の描写を思い浮かべながら読んでしまいました。
世間的には、殺人を犯してしまった人が「悪人」に該当するのでしょうが、
結局、被害者・加害者を問わず、人にはダークな部分が存在するのだと
いうことをけっこうリアルに描いています。
私個人の意見としては、被害者の女の子に同情はできないかな。
むしろ、犯人のほうに感情移入しちゃいました。
犯人の男性は、殺人を犯したあと、またしても携帯サイトで知り合った女性と、
逃亡を図ります。その様子は、物語の後半部分になるのですが、
これがとても切なくて、ラストは本当に悲しい・・・。
罪を犯す前に出会っていれば・・・と、
小説のことなのに本気で思わずにはいられませんでした。
こんなに心に残る作品だとは思っていなかったので、最初方はかなり
力を抜いて読んでました。
結末がわかった今、もう一度読み直してみたいです。
映画では、罪を犯してしまう土木作業員に妻夫木聡さん、
一緒に逃亡する女性を深津絵里さんが演じるそうです。
ちょっと見たいかも・・・。
