奥田英朗さんの新作は、「邪魔」とか「最悪」のような、ダークなものでした。
人口12万人の寂れた都市、「ゆめの市」。
この地に住む鬱屈を抱えた5人の物語。
社会福祉事務所で生活保護支給業務に就く相原友則、
東京生活を夢見る女子高生久保史恵、
詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマンの加藤裕也、
スーパーの保安員をくびになり、新興宗教に救いを求める堀部妙子、
県議会議員に打って出るつもりの市議会議員山本順一・・・。
この5人がやがてそれぞれ思いがけない事態に陥っていく・・・。
奥田英朗さんて、本当に引き出しの多い作家さんですよね。
だって、「空中ブランコ」などの伊良部先生シリーズもだし、
「サウスバウンド」も、「ガール」も・・・。
今回読んだ「無理」は、「最悪」とか「邪魔」のような、
重苦しい群像劇。読んでるこちらまでなんだか精神的に
追い詰められちゃいそうな感覚に陥るほどの重さです。
寂れた地方都市で生活する人々。
この物語は、この町に住む、5人の人を交互に描いています。
みんな、今の生活が苦しくてもがいてる人ばかり。
幸せになりたい気持ちは誰も同じはずなのに、
なぜか何をやっても裏目に出てしまう・・・。
地方都市特有の寂れた感がものすごくリアルで、
私も静岡の実家にいたら、こういう感じで暮らしていたのだろうか?と思わずにはいられませんでした。
とにかく、何から何まで重いお話でしたが、まったくかかわりのなかった5人が、
最後に思いがけないことで交わることになり、しかも読後感はそれほど悪くないんです。
ここが奥田英朗さんのすごいところです。
いやいや、一気に読んでしまいましたよ。
けっこう厚い本だったんですが、まったく気にならないくらい
面白かったです!!
