この映画、ずっとDVD見たかったんですが、
いつも貸し出し中で・・・やっと借りることができました。
翔子は何事も「自分がしっかりやらなくちゃ」と思っている、
とてもマジメな女性。一方、カナオは、飄々として、何事も適当に、
のらりくらりとこなす男性。
翔子の妊娠をきっかけに、二人は結婚する。
このタイミングでたまたま大学の先輩の紹介で法廷画家の仕事に就いたカナオ。
物語は、二人が結婚してからの10年間を、その間に実際に起こったさまざまな
事件を絡めながら、子供を亡くして次第にうつ病になっていく翔子と、
それを支えるカナオの姿を描いている。
いい映画でした。すごくじーんとして、いまだにじーんが残ってる感じ。
なんでもきちんとしないと気がすまない翔子と、なんでも適当なカナオ。
翔子の妊娠を機に、二人は結婚します。
そして、時を同じくしてミスターミニットのような靴の修理屋さんで働いていたカナオは、
美大のときの先輩の紹介で法廷画家の仕事に就きます。
幸せいっぱいな二人。・・・ですが、子供が亡くなってしまい、そのショックから、
翔子は次第にうつ病に侵されていきます。
なんでもかんでもきちんとしないと気がすまない、そして、自分がなんとかしなければ・・・と、
がんばらなくていいことまでがんばってしまう・・・翔子は知らない間にストレスをためて、
それを発散できずに壊れていく・・・マジメな人ほど、一人でいろいろ抱え込んじゃうもんですもんね。
翔子がだんだん病んでいく様が本当に痛々しく、木村多江さんの演技、すごかったです。
さすが日本アカデミー賞主演女優賞受賞・・・です。
そして、それを飄々としつつも、大きな愛で受け入れるカナオ・・・。
リリー・フランキーさんの演技も本当にすばらしいです。多才な方ですよね、本当に。
翔子が感情を爆発させる、台風の夜のシーンのやりとりは、泣けました。
カナオの職場である法廷では実際に起こった事件の裁判の模様が描かれています。
連続幼女誘拐殺人事件、地下鉄サリン事件、池田小児童殺傷事件、音羽お受験殺人などなど・・・。
それぞれの犯人役がちょっとすごかった。
連続幼女誘拐事件の犯人は加瀬亮さん。池田小児童殺傷事件の犯人は新井浩文さん。
ほんのちょっとしか出ないんだけど、ものすごいインパクトのある演技で印象深いです。
実際に起こった事件を夫婦の日常に絡めて、お話は進んでいきます。
この、法廷でのカナオの視線の鋭さもすごいんです。
たとえば、連続幼女誘拐殺人事件の犯人。カナオは画家の視線で犯人を観察するので、
犯人の手のきれいさに注目します。裁判の内容はかなりエグいものなんですが、
そんなことには動じず、画家としてみるべきところはきちんと見る・・・。
普段適当で翔子に怒られてばかりのカナオですが、こういうところで、彼の
懐の深さや芯の強さをあらわしてたような気がします。
後半、翔子が病を克服すべく、お寺の天井画を製作します。
四季折々の美しい花を無心に描く翔子。
絵も美しかったですが、その完成をカナオと二人、お寺の本堂に寝転がって眺めるラストは、
波乱万丈だった夫婦の再生を思わせるものでした。
とてもいい映画だという評判はいろんなレビューなどを見て知っていましたが、
ここまでいい映画だとは・・・絶妙な配役も、それに拍車をかけていると思います。
まだしばらくこの「じーん」は続きそうです。
