さくさく読書日記-運命の人


山崎豊子さんの新作「運命の人」、全4巻、
読み終わりましたー。


貸本屋さんにリクエストしてたんですが、最初却下されて・・・。
でも、なんとか入荷してもらい・・・感謝です!!


山崎豊子さんの小説は、事実を基にしたものが多いのですが、
今回は、1972年に起こった「西山事件」を基にしたものだそうです。


毎朝新聞政治部記者の弓成亮太は、自他共に認める特ダネ記者。
不遜な態度で上司のウケは悪いが、官僚や政治家へ食い込む力量は
天下一品だった。
昭和46年春、大詰めを迎えていた沖縄返還交渉の取材の中で、
弓成はある疑惑を嗅ぎ付ける。
それは、米軍によって破壊された沖縄の土地の復旧費用を日本が肩代わりする・・・という
密約。
弓成は、不倫関係にあった外務省審議官の三木昭子から、その件に関する
極秘文書を入手する。
その文書は密約を証明する決定的な証拠であった。
だが、ジャーナリストの鉄則で、「ニュースソースは明かさない」ということを第一に置いた
スクープ記事は、内容があいまいすぎて読者の反響は得られなかった。
そうこうしているうちに、この密約が確定的なものになってしまうこと、
またそれが闇に葬られてしまうことを恐れた弓成は、ある賭けに出る・・・。


・・・全4巻、あっという間に読んでしまいました。
山崎豊子さん、この作品、取材&執筆に10年を要したらしいです。
すごいですよね。そして、その内容は一度読み始めたら止まらなくなってしまうほど、
圧倒的です。
本当にあった事件・・・というのがよりリアルで面白い。
事件の背景は、ちょうど私が生まれた頃のこと。
沖縄返還に伴う外務省の機密漏えい事件。
当時はスキャンダルな事件としてかなり大きく扱われたようです。
その事件を基にしつつ、山崎さんは長年描きたかった沖縄の悲劇も
描いています。
1~3巻は主に、事件発生から裁判の結果まで、そして4巻は、
戦時中の沖縄の話と、弓成の今と今後・・・という構成。
私的には、4巻が一番印象深かったです。
沖縄戦の話はこれまでに幾度となくテレビや本で見聞きしてきましたが、
山崎さんが書くと、その悲惨さがさらにリアル。
でも、ただウワーッって感じではなく、何かを考えさせられる・・・。
南の島の観光地というイメージが強い沖縄ですが、その過酷な歴史に裏打ちされた
今の姿・・・というのがすごく強烈でした。


というわけで、「不毛地帯」も秋にドラマ化されるそうですし、
それも楽しみです。
山崎さん、かなりご高齢でいらっしゃるので、綿密な取材と執筆は
とても大変な労力を要すると思いますが、是非次回作も期待したいです。