さくさく読書日記-吉本ばなな自選選集


図書館で吉本ばななさんの本を物色していたところ、私が読みたいと思っている

お話がたくさん入っている自選選集を発見。

「死」にまつわるお話を集めたものらしい・・・。

1冊まとめての感想よりも、1話ずつの感想を書こうと思います。

まずはキッチン。


唯一の家族であった祖母を亡くし、天涯孤独になったみかげは、

住み慣れた家を引っ越さなければならなく、でもなかなか行動に移せずにいた。

そんなとき、生前、祖母と仲がよかったという花屋の店員雄一に誘われ、

彼の家で昔男であった母えり子さんと3人で同居生活を始める。

二人の優しさに、みかげは孤独な心を癒されていく・・・。


言わずと知れた、吉本ばななさんのデビュー作。

私、高校生の頃読んだはずなのに、すっかり内容を忘れていました。

きっと高校生の私には、この本のよさがわからなかったのかなぁ?

今改めて読み直して、じーーーんとした後味に浸ってます。

幼い頃に両親を亡くし、その後、祖父も死に、唯一の肉親であった

祖母に死なれ、みかげは近しい人の死がもたらす濃厚な孤独感に

気づかないうちにさいなまれ、でも、人の優しさに触れて生きる希望を

見出す・・・みたいな・・・。

親とか兄弟って、普段は離れていても、やっぱりすごく強い絆があるから、

亡くしたときの喪失感ってすごいんだろうな・・・とこの本を読んでて思いました。

幸い、私はまだ両親は健在ですし、ダンナも、弟も姪も・・・大切な人は

まだまだみんな元気でいるので、みかげの喪失感や孤独感は経験してないですが、

きっとこういう感じなんだろうなーというのはすごくわかります。

そんなときに、祖母の知人の家に居候することになるのですが、

この同居人の雄一とその母(元は父)のえり子さんの優しさに癒され、

生きる元気が沸いてきます。


人はやっぱり一人では生きていけないんだな・・・本当の優しさって

偉大だわーと、じーーんとしながら読み進めてしまいました。

「死」が根底にあって、それがすごく濃厚な影を落としているのに、

生きていくことの幸せや、美しさに惹かれてしまう・・・ということが

書かれています。


・・・なんか、うまく説明できない。

「死」という、重いテーマを、透明感のある文章で書いてあるので、

重くなく、でも考えさせられるお話でした。