夏にNHKで放送してたのを、最初、本を読みながら見ていて、

途中から見入ってしまって、ちゃんと見てなかったのを後悔していたドラマ・・・。

昨日、緒形拳さん追悼・・・ということで、再放送していたので、

絶対見なきゃ!!って思って・・・。

こんな形で再放送ってのが、とても残念ですが・・・。


舞台は広島県呉市。

主人公春平は、ここで帽子屋を営んでいる。

かつて、呉が軍港として栄えていた頃は、

かの山本五十六連合艦隊司令長官の帽子も作っていたという店。

その誇りを受け継ぎ、多くの学生帽を作ってきた春平。

だが、年々帽子の注文は減り、年も取り、物忘れもひどくなってきた。

「ハサミが見当たらない」と警報のボタンを押しては、警備員の吾朗を呼び出す始末・・・。

そんなある日、ふとしたことから、吾朗を捨てた母親が、幼馴染の世津で、

彼女が今、末期がんであることを知る。

胎内被爆という、重い荷物を抱える世津。そんな世津をずっと支えていこうと思っていたのに、

その思いが果たせぬまま現在に至ってしまう。春平にとっては、若かりし頃の切なくて、

後悔ばかりの出来事。

世津が死を目の前にしていることを知り、いても立ってもいられず、春平は吾朗を連れて

東京に旅立つ・・・。


なんだろう、この見た後の気持ち・・・あったかいような、切ないような・・・。

いいドラマでした。うまくいえないけど、本当にホワンとした気持ちになるドラマです。


「胎内被爆」という、生まれながらにして重い荷物を背負って生きている人々について、

静かに触れることで、戦争の悲惨さを訴えたドラマでもあるし、人と人の繋がりの大切さを

訴えたドラマでもあるし、ラブストーリーでもある・・・。いろんなテーマを扱っています。

吾朗役の玉山鉄二さんの、複雑な事情を背負ってる青年もいいけど、

やっぱり、なんといっても緒形拳さんの静かな演技がすばらしかったです。

特に、東京に旅立つとき、新幹線の駅で来ないかもしれない吾朗を待つ春平が、

ホームへの階段をかけのぼってくる吾朗を見つけたときの笑顔。

「やっぱり、すごい俳優さんだ・・・」と思いました。

本当に、また一人、すばらしい俳優さんが亡くなってしまいましたね・・・。

改めて合掌・・・です。


NHKのこういう、特集ドラマって本当にハズレがないですねー。

ついつい見るとも無く見て、最後はけっこう感動・・・というパターンが多いです。

今のドラマって、どの話がどのドラマだったのか、あとあと思い出せないものが多いのですが、

NHKのドラマは、あとあとまで心に残るものが多いです。

このドラマも、本当に、テレビのチャンネルを変えたら、緒形拳さんが出てたから、

見てみたんです。なんで、本読みながら見てしまったんだろう・・・と悔やんでいたところ・・・。

NHKならいつか再放送するだろうし・・・と思っていたのですが・・・。

私の中では、以前ブログにも書いた「今朝の秋」とともに、

心に残るドラマとなりました。


「帽子」公式HP


http://www.nhk.or.jp/hiroshima/eighty/boushi/