久しぶりに小津安二郎監督の映画を借りてみました。
小津映画に出てくる、昭和30年代の東京の町並み、とても好きです。
終戦で焼け野原になって、そこから立ち上がろうとする、
パワーみたいなものがみなぎってる・・・リアルな様子がなんとも言えない。
一時期ハマって、かなりの数の小津作品を見てますが、この「お茶漬けの味」が、
私の中では一番好きな映画です。
上流階級出身の妙子は、佐竹茂吉と結婚して8年くらい経つ。
信州の田舎出身の茂吉とは、価値観が合わず、二人の仲はかなり冷めている。
そんな結婚生活にストレスを感じる妙子は、学生時代の友人たちや姪の節子と、
茂吉に内緒で修善寺温泉に行ったり、気ままに遊んで鬱憤を晴らしている。
ある日、節子が、お見合いをすっぽかし、妙子はそのことをとても怒る。
・・・が、その場にいた茂吉に、「ムリに結婚させても、自分達のような夫婦がもう一組
できるだけだ」と言われ、妙子はとても傷つく。
それ以来、二人は口もきかず、妙子は神戸の友達のところに遊びに行ってしまう。
・・・が、妙子の留守中に茂吉は急な出張で海外に行くことになる。
神戸に電報を打って、妙子にその旨を知らせようとするが、とうとう連絡が取れず、
茂吉は知人たちに見送られて海外に旅立ってしまう・・・。
この映画、やっぱり好きだなぁ・・・何度見てもいい!!
私、茂吉役の佐分利信さんが好きなんです♪
なので、佐分利さんもたっぷり堪能・・・。
育ちの違いから価値観の合わない夫婦のお話。
主人公の妙子は、お嬢さん育ちで、結婚後も家事は全て家政婦さん任せ。
一方、夫の茂吉は、信州の田舎出身で、妙子の嫌いな「朝日」というタバコを吸い、
ゴハンに味噌汁をかけて食べ、妙子に怒られたりする・・・。
育った環境が違うもの同士が一緒に暮らせば、価値観の違いを感じることって
多々あるんでしょうが、妙子には、茂吉のそういうちょっとしたことがとても気に入らない・・・。
そこまで否定しなくても・・・とも思うのですが・・・。
そんな結婚生活にストレスを感じて、学生時代の悪友たちと、
ぷいっと修善寺に泊まりに行ってしまったりします。
茂吉には、バレバレのウソをついて行くのですが、そのバレバレの
ウソに全く気が付く様子がない茂吉に妙子はイラつきます。
この、修善寺の温泉宿、恐らく「新井旅館 」だと思います。
むかーし、私も女友達と、この旅館に、それこそぷいっと泊まりに行ったことがあります。
とてもステキな老舗旅館。自分の知ってるところが映画の舞台になるって、
嬉しいですね・・・。
そんな二人ですが、ある日、茂吉が言った一言に妙子は深く傷つき、
夫婦の危機を迎えます。
・・・でも、すったもんだの末、妙子は、自分の中で本当に大切な人が
茂吉だということに気づきます。
そして、海外出張に行ったものの、飛行機の故障で帰宅した茂吉と、
二人でお茶漬けを食べるのですが、今までそういう食べ方が嫌いだった妙子は、
その気安い、体裁のない感じに居心地のよさを感じます。
このお茶漬けがとても美味しそうで・・・白黒映画なので、食べ物自体の色は
まったくわからないんですが、普段台所仕事をしない妙子が、茂吉と、
夜の台所でお茶漬けの支度をします。
そして、茶の間で食べるわけなのですが、見てると、お茶漬け食べたくなります。
最後のこのシーンが、とても好きです。
妙子役は、木暮実千代さん。美しいですね・・・。
昔の女優さんて、みんな美しくて凛としていますよね。
妙子の悪友の淡島千景さんも素敵・・・。
ファッションも素敵です。それを見るだけでも楽しいです。
白黒なので、色がわからないのが残念なのですが、
木暮さんのお着物や、淡島さんのお洋服、着こなし方が
とても素敵です。
最後、妙子は茂吉の懐の深さを知ります。
懐の深い男の人、いいですねー。
この映画の影響か、私の佐分利信さんのイメージは
朴訥として物静かだけど、実はとても懐の深い人・・・です。
なので、「華麗なる一族」の万俵大介役はちょっとイメージが違って、
ショックでした・・・。あの佐分利さんもまたステキなんですけどねー・・・。
