三面記事


図書館で借りた松本清張の文庫本。
タイトルからしてなんか俗っぽいなぁ・・・と・・・。
短編5作品からなる本です。
ひとつ、印象に残った作品について・・・。

<危険な斜面>
会社員の秋葉は、接待で行った歌舞伎座で
昔の彼女野関利恵と10年ぶりに再会する。
彼女は、秋葉が勤める会社の会長の愛人となっていた。
その再会がきっかけで二人は密会を始める。
そのうち、利恵が秋葉の子を妊娠したから、秋葉と一緒にやり直したいと
言い始める・・・。


元カノと10年ぶりに再会したしがないサラリーマン秋葉。
その彼女はなんと、自分が勤める会社の会長の愛人となっています。
彼女を使って、会長に自分の活躍を吹聴し、出世を企む秋葉。
もちろん、そのためには彼女とただならぬ関係になってしまいます。
それが災いして、秋葉は元カノを出世の道具としか思ってなかったのに、
彼女には特別な感情が芽生え、とうとう、追い詰められてしまいます。
途方に暮れた秋葉は、彼女を旅行に誘い出し、殺害してしまいます。
もう一人、男性が登場しますが、この男は、秋葉が現れる前に彼女と付き合っていた男。
それが、秋葉の登場により、冷たくされてしまいます。
でも、彼女を好きな気持ちに変わりはない・・・原因はなんなのか・・・。
そんなとき、彼女の遺体が見つかります。この死を不審思った男は、
秋葉と彼女の接点を追い詰めます。
まさに三面記事的なお話。
男女のもつれ合いがけっこう生々しく描かれています。
面白かったけど、現実的にこういう男の人がいたら、どうなんだろう?と思っちゃう。
そこまでして出世したい・・・という気持ちがまず私には理解できないので・・・。
でも、清張作品らしい、ドロッとしてるけど「このあとどうなるの?」という気持ちで
一気に読めてしまった作品です。


このほかに、オウム真理教を彷彿とさせる宗教団体を題材にした異色作も
収録されていて、興味深く読める短編集です。
今日もこれから図書館に松本清張作品を求めに行ってきます。