ウツボカズラ



GW前に貸本屋さんで借りた本。

乃南さんは私の中ではほとんどハズレがない作家さんなので、

期待を込めて読んでみました。


母親を亡くし、父親も他の女性と再婚をし、実家に居場所がなくなった

未芙由は、面識のない母親の従妹だという女性・尚子を頼って上京する。

一見、豪邸に住んでいて、裕福で何不自由ないと思われる尚子の家庭は、

ほとんど崩壊状態。

尚子自身も家事を放棄しているかのように見える。

この家で未芙由を心から歓迎しているものはおらず、尚子でさえも、

「本当に来ちゃったの?」といった様子・・・。

結局、そんな中で未芙由の居候生活は始まる。

最初は働きもせずに家でボーッとしていた未芙由もアルバイトを始め、

尚子の代わりに家事をするようになる・・・。


・・・乃南さんの本なので、ミステリーなのかな?って思ってましたが、

未芙由のしたたかさがある意味ホラーな小説でした。

ミステリーよりも怖いかも・・・。

田舎から出てきて、なんとなく垢抜けない女の子・・・といった風情の未芙由の、

恐らく自分でも想像ができなかったくらいのサクセスストーリーとも

いえます。(同じく田舎から出てきて垢抜けない私が言うのはなんですが・・・。)

居場所のない未芙由を、軽い気持ちだったとはいえ救い出してくれた尚子を

裏切り、陰ながらも家庭を破滅させ、息子の嫁におさまる・・・すごい!!

ただただそのしたたかさに感心させられました。

いるんだろうな、実際こういう女の子・・・。

私はかなり嫌悪感を覚えました。


ウツボカズラとは、食虫植物の名前らしいですが、未芙由の場合、

虫ではなく、人を食ってのし上がった・・・というところでしょうか?

ウツボカズラ(未芙由)の夢は、とにかく「幸せ」になることだったようで・・・。

人を食ってその幸せを手に入れたってことかな?

私にはちょっと理解できない女の子のお話でした・・・。