私の男

この間発表された、直木賞受賞作品。
受賞前から、何かの記事でなんとなく内容を知ってはいました。
そして、機会があったら、読んでみようって思ってました。


物語の主人公は、北海道・奥尻島の震災で家族を全て失った小4の花と
遠縁の海上保安員、腐野惇悟。

みなしごになった花は、惇悟に引き取られ、育てられることに・・・。


あらすじは、あえて書かないようにしときます。
2008年の現在から、2005年、2000年、1996年、1993年・・・と、
過去に遡ってページが進みます。
2008年を読んだ時点では、養父との禁断の関係に疲れた娘が
自ら養父との関係を断ち切るべく、手頃な男性と結婚する・・・といった、
けっこう単純な物語なのかと思ってたんですが、年を遡るにつれて、
濃いわ、重いわ、深いわ・・・読んでて疲れちゃうんだけど、
不思議な吸引力で引き付けられ、ぐったりするのがわかってるのに、
読み進んじゃう感じでした。


しかも、今週はけっこう仕事がバタバタで帰りが遅く、
ただでさえ疲れてて、だからこそ、睡眠時間は確保しなきゃなのに、
ついつい読み進めたくなっちゃう・・・かなり悪循環でした。


たぶん、人によっては、花と惇悟の関係に嫌悪感を抱く人も
いると思います。
私も、最初はそうでした。そして、なんか言葉にするのは難しいけど、
二人の世界があまりにも濃密で、読んでて息苦しくなるというか・・・。
こんな本は初めてでした。
それくらい重いし、不快感も否めないんですが、読み進みたくなります・・・。


舞台は東京と北海道(紋別)。
東京も、下町のうらびれた地区。二人の関係にぴったりとはまるような、
粗末なアパート。この舞台設定だけでも、重々しさが倍増です。
さらに、北海道。オホーツク海を望む街。
冬の寒さや、流氷がすぐそばに見える海など、その当時の二人を取り巻く
環境にまさにぴったりな情景。
冬の寒さの厳しさが、文章だけでよく伝わってきて、実際に自分がその寒さを
味わったかのような錯覚にとらわれます。


桜庭さんの本、初めて読みましたが、すごい表現力の作家さんですね。

本当に重くて、なかなか読み進まなかったし、ぐったりしちゃいましたが、
それがクセになっちゃうような本です。
私、週末、もう一度読み直してみるつもりです。