いつか陽の当たる場所で




貸本屋さんで見つけた、乃南アサさんの新作。

この作家さんの本、好きなんですよー。

ほとんど読破してるかも。

私の中では、外れがない作家さん・・・。




主人公は、治療院受付嬢の芭子(はこ)。

一見、おとなしそうで、品がありそうな彼女には、

実は7年間刑務所で服役していた過去がある。

若い頃、歌舞伎町のホストにハマり、お金が欲しくて

伝言ダイヤルを使っての”昏睡強盗”の罪で・・・。

一方、芭子の一回り年上の親友綾香は、同じ刑務所で、

「同じ釜の飯を食った」友。

DV夫に耐えかねて殺害・・・という罪を犯している。

二人は、下町の人情味あふれる街に住んでいる。

罪を犯したことによって家族から見放された芭子、

家族とは連絡を取ることのできない綾香。

同じような境遇からか、二人は支えあって暮らしている。

食卓の会話で刑務所がらみの話しをうっかり口にしてはドキドキし、

お巡りさんを見てもドキドキし・・・そんな二人の日常が、

面白いけどホロリとくる・・・という感じで描かれている。




・・・面白かった!!一気に読んじゃいました。

ついつい、ドラマ化したら・・・という仮定で読んでしまい、

勝手に配役も妄想しながら読みました。

本当に、これ、いつかドラマ化されそうな気がする・・・。




罪を犯して刑務所で服役・・・普通の女の子に見えるのに、

そんなヘビーな過去を背負っている、主人公の芭子。

歌舞伎町のホストにハマって、昏睡強盗をはたらくのですが、

服役を終え、我にかえって犯した罪の重さに苛まれます。

”恋は盲目”って言いますが、たぶん、罪を犯したときの芭子は

そんな感じだったんでしょうね・・・。

一方の綾香は、夫の暴力に耐えに耐え、その夫の暴力が

我が子に及びそうになったときに、殺人を犯します。

これは、子を守る母の素直な行動だったのかもしれません。

そんな二人が、人情味あふれる下町で暮らし、

近所の人の温かさなどに触れ、悩みながらも

強く生きようとする姿が描かれています。

ホロリとする場面もけっこう多い・・・。

特に、弟とのやりとりはちょっと涙が出そうになりました。




乃南さんの本て、面白いけど、ホロリとくる・・・っての、

定番ですね。

音道シリーズも好きです。不器用な人のちょっとした

優しさの書き方がうまくて、心がホワッってなります。

この本も音道シリーズのようにシリーズ化されるんでしょうか?

もしそうなら、とても楽しみです。