向田邦子研究会…大好きな作家さんなのに、
そんな研究会が発足されてることを知りませんでした。
この本は、その会員の方々の、心に残る作品についてのコメントや、
食通であった向田さんのお気に入りのお店を巡るものなど、
ファンにとっては垂涎モノなネタばかり。
折りにふれては、本棚からひっぱり出して読んでいますが、
読むたびにあらたな発見がある向田さんの作品。
この本によってさらに違う発見がいっぱいありました。
私が向田さんのエッセイでスキなのは、『水羊羹』というもの。
「眠る盃」という本の中に収められています。
向田さんは、お住まいのあった青山のマンションの
近くの和菓子の名店「菊家」の水羊羹を、
夏になるとよくお買い求めになったそうです。
ある理由で、水羊羹は「菊家」のものがお気に入りでした。
その理由は、「切り口がスパッとした水羊羹」だからだと書いています。
水羊羹の身上は切り口にある。
いま切ったばかりのなめらかさと鮮やかさこそ、
水羊羹であると言うのです。
それを読んで以来、私も水羊羹を求めるときは、
切り口に注目してしまうようになりました。
このこだわりが、向田さんの作品にも反映されてるような気がするのは私だけでしょうか?
あと、『夜中の薔薇』に収められた「手袋をさがす」も好きなエッセイです。
お気に入りの手袋を片方なくしてしまい、
次に気に入ったものが見つかるまで手袋を買わずに冬を過ごしたといったもの。
自分にとって何が大切か。妥協すれば手袋なんてすぐ手に入る。
でも、妥協してしまったがために一生後悔することもある。
妥協せずに生きることが向田さんの財産であり、
「運命の神様になるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰でもう少し、
ほしいものを探して歩く人生のバタ屋のような生き方を少し誇りにも思っているのです。」
という一文がとてもステキです。
頑固ではあったけど、とても粋な方だったんだなぁと思います。
生きてたら78歳。もっともっと向田作品を読みたかったです。
向田邦子研究会、今でも会員募集してるのでしょうか?
ぜひ入会したい…あんまりファンクラブみたいなものには興味がないですが、
とてもひかれてます。募集してたら、早速入会したいです。
