夕凪の街、桜の国


6日は、広島の原爆記念日でしたね。
ニュース番組で若い人に、
「8月6日はなんの日?」という街頭インタビューをしたら、
「知らない」と答えた人が多くてびっくりしました。
戦後62年も経つと、風化しちゃうものなんでしょうか?
こういうことは忘れてはいけない、
後世まで語り継がなきゃいけないことのような気がします。


…と、えらそうなこと書きましたが、
私も平和ボケだし、戦争ネタって無意識に避けてしまうし、
なかなかそのことを真剣に考えることって少ないですが…。


そんなことを思いながら手に取った本。
漫画と小説が出てましたが、なんとなく漫画を買ってみました。
映画化もされてますよね。


物語は『夕凪の街』と、『桜の国』、合計3話で成り立ってます。


『夕凪の街』は、 原爆投下から10年後の1955年に広島で
暮らす女性が主人公。被爆者でもあり、体には火傷の跡が
残っています。原爆投下直後の生々しい経験や光景が
ことあるごとに蘇り、普通に生活しているように見えますが、
心にも体にもとても深い傷を負っています。
犠牲になった人々へ、自分が生きてることの負い目・・・。
恋すらもしてはいけない・・・と思い込んでいたりします。


『桜の国』は、1987年と2004年が舞台で、
『夕凪の街』の主人公の姪が主人公になっています。
直接被害を受けてなくても、何かしらで原爆とつながりがある、
これはこれでやはり何も関係ない人とはちょっと意識が違います。


物語は、とても淡々としていて、こういう物語特有の、
悲惨な描写とかは一切ありません。
でも、それだけに被爆した一般市民の心に抱える傷などが
静かに浮かび上がってきます。

被爆者を取り巻く人々も、いろいろな面でいろいろな

問題を抱えることにもなります。


また、反戦や原爆投下を強く批判するような言葉も
ありません。でも、だからこそ、二度と犯してはいけない
過ちなんだということが心に刻まれるような気がします。
静かに、淡々と・・・でも、訴えるものは強いです。

とても薄い本で、すぐに読み終えてしまいますが、
あとに残るものはとても濃いものがあります。

目をそむけたくなることですが、こういう作品によって、
忘れてはいけないことなんだと強く感じました。